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創造力が掻き立てられる!ヒトツブビーズ店

ビーズといえば、子供の頃にアクセサリー作りで使った小さなプラスチックのものを思い浮かべます。色とりどりのキラキラした小さな欠片を集めて、首飾りを作ったり指輪を作ったりしたっけな。

そんなビーズの概念が、根底から覆される経験をしてきました。
複数の人から「すごい!!」と聞いていた「ヒトツブビーズ店さん」。ホームページを拝見すると、「これもビーズ?」と驚くようなものもあります。

3000種類ものビーズが世界各国から集められているのをこの目で見てみたいと、お店にお邪魔してきました。

扉を開くと、異世界が広がっていました。
壁一面に数多のビーズが並べられていて目移りしてしまい、じっくり好みのビーズを選定するには何時間もかかりそうです。3000種類ものビーズがあるのだから、何度も行って何度も新しい発見をする場所なのだと思います。

そもそもビーズの定義って?

お部屋一面に広がるビーズの世界。
中でも目を引いたのは、ヴィンテージのビーズを使ったアクセサリーの数々です。わたしがビーズで連想するものとはかけ離れた重厚感のある装飾品であり、ビーズ単体でもアクセサリーそのものといってもよいようなものでした。

店主の三好さん

ビーズの定義をお聞きすると「穴が開いて糸状のものを通せるもの」だということ。

そうするとボタンもビーズの一種になります。わたしの母は、洋裁をするのでボタンの品質には一家言があります。洋服で一番お金がかかっているのはボタンだというくらい、ボタンの素材やデザインにこだわって選んでいるのです。

ビーズにも、素材をはじめ細かな手作業によるデザインが施されており、ボタンと同じようにバリエーションのあるものだということがわかりました。

ちなみに、こちらのお店では、ビーズを選んでアクセサリーを作ってもいいし、アクセサリーになっているものを買ってもいい、もしくはアクセサリーをオーナーに作ってもらってもいいという選択ができます。

わたしは、作ってほしい派です!

ヴィンテージやらデッドストックやらで作ったアクセサリー

宝石も穴が空いていればビーズに分類されるとのこと。

30~40年以上前に作られたヴィンテージのビーズや、10~20年前のデッドストックでつられたアクセサリーはどれも素敵です。ヒトツブビーズ店の品物は主に現行品(今も製造されているもの)〜1970年代頃のものになります。

Tips:アンティークとヴィンテージの違い
アンティークは製造から100年以上、ヴィンテージは製造から30〜40年以上99年未満とされています。

売れずに在庫として残っていたビーズたちが、時を経てアクセサリーとして蘇っているのをみるとなんだかワクワクしてきます。

ビーズは、さまざまな商品のパーツとして再利用でき、そもそも使い捨ての商業主義とは一線を画する存在です。穴が空いているので接着剤をつかわずに装着できるので、環境負荷をかけません。それが、店主の三好さんがビーズに魅了された理由のひとつでもあるとのこと。

そしてビーズはアクセサリーだけでなく、ドールハウスの装飾品に使われたり、男性が魚釣りの浮きをアレンジしたりするのにも使われるそうです。

三好さんは、ビーズを手に取った瞬間に、頭の中に浮かんでくるイメージを大切にされています。ビーズを組み合わせることによって生み出される生活上の工夫も、ビーズの大きな魅力のひとつなのでしょう。

お店の中にいると、「好き!」というエネルギーが伝わってきます。好きなものを集めて、それを自分以外の人にもシェアするってなんて楽しいことでしょう。喜びが伝播して、とても元気になれる場所です。

琴平町で出店した理由

象頭山を臨む景色

もともと香川県三木町の小さなログハウスの店だった「ヒトツブビーズ店」。
車社会の香川県では、多くのお客様が車で来店されます。一緒に来られた方がゆっくり待てるスペースがほしいと思われたのがきっかけで広い店舗を探されたとのこと。また、車椅子の方にもご利用いただくため、バリアフリーの広々とした店舗に移れないかと探していたそうです。

そんな中、手頃な価格でちょうどよい空き物件がみつかったのが、たまたま琴平町でした。琴平町といえば観光で人が集まる町ですが、ヒトツブビーズ店のある場所は金刀比羅宮から距離があり、観光の際に立ち寄るには少し不便な立地です。

もともとインターネットで集客をされていたこともあり、観光客を狙わず琴平町に移転されました。ビーズ好きな濃いお客様が、県外からも訪れる「ヒトツブビーズ店」はファンにしっかりと支えられています。

カフェメニューも人気

広々とした店内のカフェスペースで、サンドイッチとバナナジュースをセットでいただくことに。予約をしていなかったので、出来上がるまでオーダーをしてから30分くらいかかると聞きました。

ビーズを見ていると30分があっという間です。そして注文してから丁寧に作られているのがわかる、納得のお味!!元料理人だった旦那様が作られただけあって、レストランでいただくレベルだと思いました。キャロットラペもさすがプロのお味です。とても美味しくいただきました。

大人気の厚焼きたまごサンドセット
バナナジュース

紙ストローの代わりに、ストロークッキーで召し上がれ。

期間限定季節のパフェ

琴平町の横の繋がり

お隣の山下金物店さんもかわいい佇まい

琴平町では、商工会で町の人たちと交流する機会が数多くあり、町内の店どうしの繋がりができます。
ヒトツブビーズ店も、別のお店とお互いにお客様を紹介しあって 、ものづくりの好きな人たちの緩やかな連携が取れているようです。

ヒトツブビーズ店のこれから

持続可能な社会を目指して

店主の三好さんは、ビーズの再利用可能なあり方に魅了されただけあって、マイクロプラスティックの問題にも関心を持っています。
ヒトツブビーズ店は、NPO法人アーキベラゴが主催する「せとうちクリーンナップイベント」に参加中です。

せとうちクリーンアップフォーラムでは、ペットボトルなど使い捨てプラスティックの削減に取り組むため、マイボトルの活用を推進しています。

http://www.archipelago.or.jp/scf/

マイボトルを持っている人が、水やお湯を補給できる「オアシスマップ」にヒトツブビーズ店も掲載されていて、四国を旅する人たちにも気軽に立ち寄って水を無料で使っていただいています。

ビーズ教室

ヒトツブビーズ店では、アクセサリーの基本的な作り方も教えています。
一般的に、趣味のお稽古事にはやり方のノウハウがあって、その通りに作れば出来上がるようなキットを販売したり、教えたりする教室も多いです。それも大事なのですが、同店ではうまく作ることだけにこだわらず、一人一人の着想や発想の面白さを大切にしています。

型にはまらない発想を形にする、クリエイティブな楽しみを共有できる場所なのだと思います。自由に自分の想いを形にするから、楽し気なエネルギーが溢れているのです。

ものつくりの人たちのワークショップ

今後は、ものづくりが好きな人たちが、コピーライトや権利を学ぶワークショップを開催する予定です。好きなことを仕事にしたいと考えていても、よくわからないことが出てきます。三好さんは、作った人の権利をお互いに侵害しないためにも、権利関係を学ぶ機会が必要だと考えているのです。

こうして理想と現実面を両側から、きちんと好きなことに向き合っているヒトツブビーズ店。

これから琴平の名物店としても、ビーズ好きな人をはじめ、アクセサリー作りやものづくりが好きなクリエイティブな人たちが集まり賑わい続けることでしょう。

ヒトツブビーズ店情報

ホームページ:https://www.hitotububeads.com/
インスタグラム:https://www.instagram.com/hitotububeads/
フェイスブック:https://www.facebook.com/hitotububeads/
ツイッター:https://twitter.com/hitotububeads
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@hitotububeads

文:松原
写真:葉・松原

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