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勉強になった記事(よそ様が書かれたもの)

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よそ様が書かれた勉強になった記事
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#進化

「利己的遺伝子」の誤解を招かない使い方

本記事を修正・加筆した記事が、以下の新書の第3章に収録されています。 「利己的遺伝子」とは「恋をするのも、争うのもすべては遺伝子の思惑通り?」これは2022年科学道100冊に選ばれたリチャード・ドーキンス「利己的な遺伝子」(1)の紹介のタイトルである。このような表現は、生物のあらゆる性質は遺伝子にとって有利に進化した結果である、ということを示唆したものだ。あまりにも表現が「俗っぽい」ので、うさんくさい、と思う人もいれば、深い理屈は考えずに、そうかもしれないと思う人もいるか

人はなぜ宗教を信じるように進化したのか

なぜこんなにも多くの人が宗教や超自然的存在を信じているのだろうか 正月、近所の神社に行くと、厄年を迎える人の生まれた年が大きく看板に書かれている。私は、宗教や神の存在は全く信じていないが、看板に書かれた年が自分の生年と一致していると、何の根拠もなく今年は病気に気をつけようとか、お守りぐらい買っておこうか、などと一瞬考えてしまう。これは、人を宗教にひきつける、人間の心理をついた「うまいやり方」である。将来への得体の知れない不安に対して、超自然的なものに頼ろうとする人間のもつ心

炎の動物〜ザ・クリーチャー・オブ・フレイム〜 #Flame Ⅰ|進化心理マガジン「HUMATRIX」

▲ ダン‪·‬ブラウンのフィクション小説『天使と悪魔』にでてくる「火/Fire」のアンビグラム(天地逆さまにしても同じ模様になる)。「火」は、他の種にとってはそうでは無くとも、人類にとってはけっして欠かせないエレメントだ。 * * * # 焚き火を囲む種人類が火を使いはじめたのはおよそ180万年前のホモ・エレクトスの時代だったと推定されている。 すべての動物が恐怖し、怯え、逃げ惑う「火」を、唯一味方につけた種が人類だった。人類は火を手なづけることで、生物界において頂点捕

「種の保存のための進化」はどこが誤りなのか

本記事を修正・加筆した記事が、以下の新書の第3章に収録されています。 レミングの集団自殺? レミングとは、主にツンドラ地域に生息するネズミの仲間で、3年から4年周期で個体数が急激に増減することが知られている。特に、レミングイヤーと呼ばれる年には、その数は激増し、集団移動をすることがある。この集団移動の時に、多くの個体が海に飛び込み「集団自殺」をするという"迷信"が広まった。この迷信の原因の一つが、1958年に制作された「白い荒野」というディズニーの映画である(ムービー1)

老化とアンチエイジングの人類学—”淘汰”にあらがう意義とは

東大・九大・新潟大などの研究グループが、老化細胞を選択的に除去するGLS1阻害剤が、加齢現象・老年病・生活習慣病を改善させることを証明したというニュースが今朝、話題になっていましたね(1)。 このような研究は、老化の防止を助け、加齢によって自然に起こるシミやシワ、骨や筋力の衰え、動脈硬化や癌 (がん) をはじめ、生活習慣病の影響でリスクが高まるさまざまな病気など、その原因を抑制することを手伝う「抗加齢医学」の一種であると言えます(2)。ビジネスの文脈では「アンチエイジング」

生物 学習指導要領 (1) 生物の進化

―高校生物の,学習指導要領の改訂―  下記は,2020年現在,すでに改訂済みの学習指導要領です。改訂済みですが,今の高校生はまだこの学習指導要領で学んではいません。2020年度,この学習指導要領に則って編集された高校の教科書は,文部科学省による検定を受ける運びになっています。  高校の科目「生物」の,今回改訂された新しい学習指導要領については,特筆すべきことがあります。というのも,これまでは「細胞と分子」といった単元から始まっていたものが,「進化と系統」から始まるようになり

再構築された「マズローの欲求ピラミッド」〜サピエンスの"欲求階層理論"を進化心理学の視座からリノベーションする #Pyr ⑴ | エボサイマガジン

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「至近要因」と「究極要因」:進化心理学のメスで人間社会を解剖する方法 〜 アニマルとしてのサピエンス、その心に潜む隠れた動機(Hidden motives) #ULPR ⑴ | エボサイマガジン

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進化というアルゴリズム(Evolution as Algorithm)がすべてを駆動する: メンデルから再びダーウィンへ───心の“わけ”を解き明かす「進化心理学/EvP」とは何か? #Evolal Ⅰ |進化心理マガジン「HUMATRIX」

- Darwin 1859『On the Origin of Species /邦題: 種の起源』 ・Dirty Paws / Of Monsters And Men ・前回からの続き: tool 1: ✔️進化というアルゴリズム(Evolution as Algorithm) #「進化/Evolution」のエンジンとはなんだろうか?────アルゴリズムだ R.ドーキンスの親友で、ともに現代におけるダーウィニズムの知の先導者であるダン=デネットは、チャールズ=ダー