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【大河ドラマ】光る君へ 第三話 思惑と出会い

再会したまひろと三郎だったが、再び所在が分からなくなる。互いにどこの誰とも知らない二人は、思い合いながらも見つけられずにいる。そんな中、父の提案によりまひろは、源倫子の開くサロンへ出向く。そこには赤染衛門もいる。彼女は和歌の才に恵まれていて、まひろはその場で力を発揮する。しかし、父がまひろを会に参加させたのには思惑があると知り、動揺するまひろ。少しずつ、まひろの周りにも策略や悪意がうごめくようになっていく。

第三話では、倫子などの登場もあり、少しずつ平安の世の政治にまひろや道長が巻き込まれていくことを暗示させる展開があった。それでもまだ穏やかな二人の生活。お互いがその居場所を探し、相手を身分の低いものだと決めつけて、心を悩ませる姿はただの男女に過ぎない。しかし、その他の場面では平安の宮中で起こる不穏な出来事や人々のやり取りが描かれる。
自分が地位を獲得するためなら毒を盛ることなど当たり前。人を疑い、だまし、取り入り、そしてのし上がっていく。そんな宮中での生活にいずれまひろも巻き込まれていく。純粋さを残すまひろがあの中で過ごすかと思うと気が気でない。

登場人物も増え、少しずつ本格的に始動し始めた『光る君へ』。その中でも互いを思い合うまひろと道長の姿は子どものころとさほど変わらない。互いの身分を勘違いしながらも第三話の終盤でもう一度巡り合った二人。今度こそ互いの正体が判明するのではないか、というかすかな気配を残して第三話は終了となった。

歴史上に名を遺す二人だからこそ、これから宮中の不穏な空気に飲み込まれていくことはほぼ間違いない。その中でのかすかな幸福も負の刺激もすべてまひろの中に蓄積され、やがて源氏物語として花開くかと思えば、ドラマの中で起こる一つ一つの出来事を注意深く見入ってしまう。ようやく自分たちの意志で巡り合った二人がこれからどんな言葉を交わし、少しずつ進み始めるのか、見守りながら、まひろが紫式部として源氏物語を書くに至るのか、大切に見ていきたい。

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