僕のヒーローアカデミア最終話(430話)と作品全体の感想
こんばんは、普段YouTubeで毎週ジャンプ感想を語り合う配信をしております寿司(ことづか)いくらと申します。
2024年8月5日発売の週刊少年ジャンプ36・37合併特大号にて、『僕のヒーローアカデミア』が最終回を迎え完結しました。
20数年ジャンプを読んできた中でもひときわ思い入れのある作品の完結ということで、感想をしたためた文章(毎週全作品で書いてるやつ)がなかなかの量になったので、個別で記事にすることにしました。
よろしければご一読ください。
ちなみにヒロアカ最終回感想を語った配信アーカイブはこちらになります。
興味ある方はこちらも合わせてぜひ。
【#wj3637】ベテランジャンプ読みと週刊少年ジャンプ36・37合併特大号の感想を語り合おうぜ!前半戦!【ヒロアカ最終回!ありがとう……!!】
センターカラー
A組のみんな+オールマイト!
どことなくセピアな色調でちょっと泣けてくる。
でも一人残らず全員笑顔。本当に全員。
最後の最後まで良いカラーイラストだなあ全く……ッ!
本編
いきなり少し未来の雄英から。
「人は生まれながらに平等じゃない」
「これが齢○歳にして知った 社会の現実。」
1話冒頭と同じ文章を使ってるけど、間にある他者との交わりに関する話はこの物語の集大成という感じがある。
デクは雄英教師になっている様子。
まあOFA失っちゃあさすがにプロヒーローにはなれないか。
洸汰が雄英生になってるの良い……デクに救われた件が彼のオリジンになって"ヒーローへの憧れ"がまた継承されている……
って隣にいるの、前回おばあちゃんに救われてたNEXT死柄木みたいだった子じゃない!??君もヒーロー志してるのか……!これだけでまた泣ける。
あと死柄木が雄英入ってヒーロー目指してた世界線とかもちょっと想像しちゃった。
デクの雄英での3年間の学生生活をダイジェストで。ここ好きポイント多すぎるので箇条書き。
・よぼよぼグラントリノ
・Mt.レディのコマの「JUMP SAIKO」
・白雲の墓参り
・映画1作目ゲストキャラメリッサの後ろ姿
・ちゃんとスピナーが本出してる
・のを手に取って笑ってるのはコンプレスか。最初知らんキャラが銃構えてると思ってゴメン
・卒業式はかっちゃんと物間で爆破(かっちゃん一人でやれただろうに物間と一緒にやってるってのが色々想像できて良いよね)
場面は移り8年後。
1話のデク達と同じように進路希望調査で夢を語る中学生たち。
1話と違うのはヒーロー科一択じゃなくなってるところ。職業ヒーローじゃなくても夢を与え憧れを紡いでいくことができると描かれるの、テーマ性の描写が抜かりない。
てか大人発目さんムッチムチすぎるな。これで風呂入ってないんでしょ?嗅ぎたい。
そしてほとんどの読者は発目さんに目を奪われて絢爛崎先輩が(多分)出資者になってるのに気づかない。
ジェントルとラブラバもバリバリやってるようで……って結婚指輪しとる!!?めでてっ!!!
そこからはデクとどこか重なる少年、ダイにフォーカス。向いてないって言われて悩むのはデクと同じだけど、悩み方はデクと違っててちょっと世代を感じる。
「みんな変わっちゃった」のコマとその1つ上のコマは堀越先生の過去作から登場してたキャラたちの広告がいっぱい出てるね。逢魔ヶ刻動物園のみなさん+戦星のバルジのアストロ。
また場面は移り元A組のみんなの現在。
障子くんはいわゆる"異形型"差別問題に尽力してる様子。スピナー達との約束果たしてるね。そもそも"異形型"ってワードが使われず"形質差別"って単語になってるあたり人々の認識が変わってきてる感がある。
普段は口田くん凡戸くんと一緒に活動してるんかね。
お茶子・飯田くん・梅雨ちゃん・ヤオモモはチームで活動。みんな大人になってて素敵。飯田くんハーレムじゃん……
「"個性"カウンセリング拡張計画」……トガちゃんのような悲しい子を生まないように頑張ってるんだね……
ここで挟まるエリちゃん。音楽やってる……!文化祭とかのエピソードめちゃくちゃ響いてるじゃん……!!この1コマだけでまた泣いちゃう。
かっちゃん・轟くんを皮切りに他のヒーロー達の話も。今トップヒーローミリオなんだ……!なんかうれしい。物間はともかく骨抜くんがそこに並ぶのは意外。
デクと相澤先生のやや微笑ましいやりとりの後はさらに他のみんなも。デクの虚無顔笑う。
139P1コマ目、上鳴の事務所はイナズマでわかりやすいけどその左って音楽っぽいし耳郎ちゃんの事務所!?隣に構えてんの!??
左のコマではA組の銅像建ってる。それ大きく見せてくれ。
常闇くんは香水で葉隠ちゃんは化粧品のCM?
透明感どころじゃないだろ葉隠ちゃんは。
切島くんも思い描いてた通りのヒーローになれているようで何より。
ふらっとオールマイト像のもとを訪れるデク。こけそうな子供を助けたところ……同じように助けようとしていたのが先ほどの中学生、ダイ。
ここからはもう完全に1話のオールマイトとデクの話の再話。
「僕もあなたたちのようなヒーローになれますか」
「大丈夫 だって君はさっき手を差し伸べようとしたじゃないか」
「君はヒーローになれるよ」
かつて憧れの人に言ってもらえて一番嬉しかった言葉、夢を叶える一歩目となった言葉を今度はデクが次の世代に継いでいくの完璧すぎる。
しかもここでオールマイト像の周りにさらに像が増え、「みんながヒーロー」の世の中になったことが明らかになるのもすごい。ここまで巧みにオールマイト像の背後が隠されていたためにいつも通りのオールマイト像を想像してたらこんな仕掛けがあったとは。
「頑張れ少年!」
わざわざ「少年」って言い回し選んでるの、完全に意識してオールマイトと同じことしてるじゃん……!
今でもデクにとって夢をくれるヒーローといえばオールマイトなの感じられて良いよね。そしてデクがオールマイトの立ち位置で夢を与える側になったのがまた最高に良い……
というところで綺麗に『僕のヒーローアカデミア』完……
と思いきや!!
「完」を握りつぶしながら現れるはオールマイト!
持ってきたサプライズプレゼント……それは最終決戦でオールマイトが使ってたパワードスーツ……!!
AFOと渡り合えるほどの性能を誇るスーツなんだからヒーロー活動だって当然出来る!
「デクはOFA失ったから最後はヒーローじゃなくなっておしまい」じゃ満足できねえよなあ!??
そ、その通りです堀越先生……!!
ありがとうございます……
そもそもこのスーツも海外の友(メリッサ)と発目さん、爆豪中心としたA組がデクにヒーローに復帰してほしくてデクに内緒でこっそり進めてた計画だったってわけよね。デク自身自分を納得させて教師としての人生を歩み始めてたことを考えると「余計なお世話」ってやつだ。ヒーローの本質……ッ
で、皆がそうしたのもこれまでのデクの想いと実績を知ってるからであって……まさしく「君自身が勝ち取った力」なんだよな。
1話で「"個性"がなくてもヒーローは出来ますか!?」って尋ねて「君はヒーローになれる」って言われてたけど、まさか最終話にして本当の意味で"個性"がなくてもヒーローになってしまうとは……
しかも今のデクなら「"個性"持ってるやつがそのスーツ着たらもっと強いじゃん」って風にも全然思わないもんな読者も。デクならこのスーツを誰よりも使いこなせるようになるだろうし、あらゆる意味でこのスーツに最も相応しいのは紛れもなくデクだ。
てかこれ「完」のその後まで到達してるから「さらに向こうへ」ってこと……!?最高すぎ……
そして最後はかっちゃんに手を差し伸べられて、デクも再びヒーローへ……!
死柄木にも見守られながら、成長したみんなと一緒に大きく飛び出して〆!!
最後のページで「最終話」じゃなくて「430話」とナンバリングの方を出してくるのも、これからも彼らは手を差し伸べ続けるんだなあって感じがしてめっちゃ良かった。
突き抜ける快晴のような爽やかで希望に満ちた最終回でした。最高。
成長したみんなにも言及したいけど文字でそれやるととんでもないことになる(すでに文字数はヤバい)のでそこは配信で言うことにしようかな。
一つだけ言うとしたらお茶子ムッチムチすぎるということ。お姉さんになっちゃって……
あとよく見たらデクのマスクだったであろうパーツが首元にあるね。匂わせ……!?
作品全体の振り返り
430話、10年に及ぶ連載がついに終了。
本当に終わるんだ……という感じでいまだに実感が全然湧かんのよ。次号のジャンプからはずっとヒロアカ無いんだ……
わたしはジャンプ読み始めて20年と少し経つので、比率で言っちゃうと半分弱なんだけどそれでもヒロアカと過ごした時間や作品への思い入れもかなりあるので素直に寂しい。逢魔ヶ刻動物園どころか堀越先生が読切描きまくってた時代から見てたしな……(古参アピ)。
ジャンプ感想配信を始めて以来最も大きな看板の完結という面でもかなり感慨深いものがある。
でも不完全燃焼感やコレジャナイ感を感じずに最終回を読み終えられたのはすごく幸せなことだなあと。
第1話を読んだ時の感想も今でもハッキリと覚えていて、
「逢魔ヶ時動物園とか戦星のバルジの人じゃん」
「なんか前こういう読切描いてたよね」
「うお設定キャッチー…売れそう~」
(1話読み終えて)「売れるわこれ(確信)」
って感じ。
第1話がクソ強いジャンプ作品を挙げろって言われれば今でも間違いなくヒロアカは挙げるくらい鮮烈だったなあ。ちなみに1話で確信歩きした作品、他で言うとNARUTOとか暗殺教室とかかな。
個人的にこの作品で特に好きだったのはデクが自分なりのOFAの使い方をどんどん工夫して身に着けていくところ。
最初デコピンから始まって、フルカウル、シュートスタイルときてエアフォースでまたデコピンに戻ってくる流れ好きすぎる。
あとはやっぱり「継承」というテーマにとにかく真摯だったところかなあ。
ヒーローって憧れがどんどん引き継がれていく存在だよねという話から、OFAという具体的に継承されていくものの話、ヴィランにも引き継がれるものはあるという話、そしてプロヒーローでなくとも戦闘能力がなくとも意志を受け継いでいくことはできるという話に着地して、それが希望に満ちたエンディングにそのまま繋がっていたのが構造としてめちゃくちゃ綺麗だった。
それと堀越先生の物語を畳む力の高さには舌を巻いたな~!
最終決戦の段階で、スピナー(異形型差別問題)、トガちゃん(イリーガルな嗜好を持って生まれたらどうするの問題)、荼毘(家庭間での取り返しのつかない過ち)らへんはどう決着つけてもモヤっとする形にしかならないだろと思っていたらぜ~~んぶ綺麗に着地した。
特にスピナートガちゃんはマジで無理だと思ってたから正直ビビったよね。絵の力ってのもあるかもしれないけど、漫画で説得力を出すのがとにかく上手かった。漫画力おばけ。
絵も設定もキャラもストーリーもとにかく魅力的で、少年漫画に必要な要素を全て備えていた傑作でした。特に絵。堀越耕平より絵うまい作家挙げろって言われたらもう絵柄の好みの問題でしか話せなくなるレベルだと思う。巻頭カラー扉絵とかマジで毎回圧巻だったからね。
TVアニメ、映画、カードゲームと個人的に原作の漫画以外でもたくさんの思い出を貰った作品なので本っっっ当に寂しいんだけど、綺麗に走りきってくれたおかげか不思議と爽やかな気分でもあるんだよな。
ああでも1週間とか2週間とか経ったらじわじわ実感出てきて泣いちゃいそうだ。
まだまだ語れることは実質無限にあるけれどキリがないのでこの辺で。
一番言いたいのは、堀越先生とデクたちと、ヒロアカに関わったすべての人にありがとうということですね。もう本当にただひたすらに感謝だ……
二番目に言いたいのは堀越先生コミケ参戦待ってますということですね。
こっちもどうかよろしくお願いします。なにとぞ………!!!
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