「ヴィンランドサガ」は聖書かも知れない
「誰にも敵などいないんだ」
season1「復讐編」のアニメと漫画8巻までがこの物語の序章
「奴隷編」の9巻からさらに読み進めて行くと、この序章が如何に大切かが理解できた
「誰にも敵などいない」というのはこの物語のテーマ
本来、人は誰もが無敵(敵は無い)なんだね
まぁ、スポーツやゲームは別として
例えば「負けないで」とか「侵害されないように」とかは「敵ありき」ってこと
もちろん「負けず嫌い」も「敵ありき」
「敵」って、ある時は家族や友人、会社の人、社会、またある時は自分自身だったりと思い当たるものばかり
ネタバレになるけど、主人公のトルフィンは父親を目の前で殺される
そして父親に貰った短剣を肌身離さず持ってるけど、それは父親から言われた「お前に敵などいない」という言葉を理解できずに復讐を支えに生きていたからなんだよね
誰にいつどんな理由で殺されるかわからない世界で、自分以外はみんな敵として認識することで自分自身を守っていたんだ
私には「復讐編」の心を閉ざして生きているトルフィンとこれまでの自分自身が重なった
こんなに平和な時代なのにね
実は今この漫画の紹介文を書きながらも私は泣いてる
なぜなら「誰にも敵などいない」という言葉の意味を身をもって理解できたから
私も普段、何気ない会話の中で「念」いう「剣」を相手に刺していたんだ
特に家族に欠点を指摘された時など「○○にも言われたなぁ」などと「それくらい知っているよバカにするな」というマウントを取る念(剣)を相手に向けてしまってた
また、「こうした方がいいよ」と、良かれと思って進言したことがそれ以外を許さない責める念として相手に届き、報復させてしまう事態に発展したり・・・
それに対して私も報復するような言葉や念を向けて、報復合戦がはじまり、いつしか止まらない喧嘩になってしまってた
そんな「親子喧嘩」がこの物語の序章である「父の仇」や「戦争」と同じじゃないか!?と、気づくことができた
「敵」を創っていたのは「私自身」だった
まるで言い負かせたほうが勝者のように・・・
「本当の本当に望んでいること」は、「相手に勝つことじゃない」って、この物語から学ぶことができた
正確には26巻までコンプリートした後に起こった親子喧嘩で気づいたんだけどね
「本当の戦士には剣などいらぬ」
これもトルフィンの父、トールズの言葉
人はルールを守らせるために、優しい言葉であっても脅すような内容になってしまうことがある
私自身を例にするなら、私(母親)のルールに子供を従わせようとして、子供の頃なら「鬼が来るよ〜」とか「○○してくれたら□□買ってあげるよ〜」なんて脅して従わせようとしたり、大人になった今でも「進言やアドバイス」することで「それ以外は認めないよ、という脅し」が含まれていたと今ならわかる
「鬼が来るよ〜」とか「サンタさんが来ないよ〜」っていうのは脅しだと自覚できて後悔したものだけど、取り引きやアドバイスまで脅しになるなんて理解できなかったんだ
この「脅す」という念もきっと「剣」を向けていることと同じだと思う
普段の何気ない会話の中にまだまだ無意識の念という剣を他人に向けているかもしれないし、この剣を手放すことが凄く難しいと親子喧嘩で身に染みた
でも、でも!!
私から剣を手放すことでしか無敵になれないんだ〜
ウォォ〜〜!!!
「ヴィンランドサガ」の物語は、読んでいる人の心の物語だ
そんな聖書のような素晴らしい漫画に出会えた私を讃えたい
「愛とは何ですか?」
これは作中で出てくるキリスト教の宣教師の言葉
「愛とは何か?」もテーマの一つ
父親に愛されて育ったトルフィンと、父親に愛されなかったクヌートという登場人物がこの先も陰と陽のように対になって出てくる
このクヌートはキリスト教徒で、物語中盤までは、独りで生きてきたトルフィンとは対象的に従者の愛情を注がれて守られて育つ
しかし遂に「愛とは何か?」についての答えを受け取ることになる
ここは私も深く頷いたシーンだった
そもそもヴァイキングたちは北欧神話を信じているために、戦士として死ぬことを望んでいて、「愛」という言葉さえまだ知らなかった
11世紀の話なので当時はまだまだ情報が少なかったはず
本当に誰もが「知らない」ことで恐れから暴力で身を守るしかなく、きっと「知る」ことで解決できた問題がたくさんあった時代だったんだ
でも戦士の中には戦士の為の天国「ヴァルハラ(北欧神話)」に疑問を持つ人も出てくる
人々の中に「神話を疑う人」が出てくるんだよね
変化が人の内側から起きてくる感じが漫画「チ。〜地球の運動について〜」にも通じると思った
(漫画「チ。〜地球の運転について〜」も超オススメ)
それは私自身が人生の中で「何かが違う」と、真理を探し始めたことに凄く似ている気がした
アニメのススメ
冒頭のP.Vでわかってもらえたと思うけれど、アニメも超お勧め!
物語をより解りやすくするために、漫画とは構成が変えられて、幼いトルフィンがどうやって独りで生きてこれたかなど加筆もされてる
漫画のリアルな絵も素晴らしいが、アニメになって動きや音や声が入るととてつもない臨場感がでてくる
そして、最後にトルフィンが剣を離す時のAimerの詩と映像は最高!(ネタバレ、メンゴ)
ぜひ、prime videoやNetflix、をできればテレビ画面に繋いで見て欲しい
ちなみに2023年1月9日からseason2「奴隷編」が始まる
「奴隷編」は8巻の最後(55話)から
ここからが面白いのなんのって・・・
愛に還る物語
この漫画は2005年から連載が始まってたらしい
当時1歳だった私の息子が来年大学に進学するんだから凄く長い期間連載してたんだね
ちなみに作者の息子さんは2006年生まれ
アニメは2019年にNHKで放映されてたんだけど私は当時は面白いとは思話なかったんだよね〜、なんか暗くて重い感じが嫌で・・・
この物語を深く満喫して気づきに繋げるには、私にとっては2022年がベストタイミングだったんだな〜
9巻以降はどうやってトルフィンが生まれ変わっていくか?になるんだけど、ここに関しては現在の自分自身の人生の旅路と全くリンクする気がする
そう、私は生まれ変わりたいんだ
今私は、転生も含めてこれまでの歪みに歪んだ自分自身を修正して、更生する最中にいる
だからこそ私にとって「ヴィンランドサガ」は本当に人生のバイブル(聖書)といっても良いと思う
「聖書かも知れない」なんて題名にするのは少し怖かったけれど、愛に還る物語なら聖書と呼んでも良いんじゃない?
きっと人それぞれのタイミングで観ることになるのだと思うけど、私のこの投稿がきっかけになるなら嬉しい
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