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日本屈指、植物で未来を明るくする研究型植物園(高知県立牧野植物園|高知県高知市)

春先の初訪問を経て、朝ドラ終了後の秋となる今回で2度目。
「牧野植物園」へ訪問してきました。

春に訪れた際にはまだ建設中であった「植物研究交流センター(ラボテラス)」が完成してから初めての訪問です。

2023年前期の連続テレビ小説「らんまん」が、あまりにおもしろすぎて。
牧野博士にも興味を持ち、ついには牧野博士の書籍も拝見させていただくほど、ハマりにハマった私。笑

牧野博士の自叙伝の中では「もと私の家は酒屋で、多少の財産もあり、両親には早く分かれ兄弟は一人もないので、私がその家をついだので、財産は自由になるからその金で私は東京へ出たのである」と書かれています。
これに対して、「え?! 実際の牧野博士には、綾姉ちゃんと竹雄は史実にモデルとなる人物がいなかったの?!」と驚いてみたり。

要潤さん演じる田邊教授のモデルとなった、矢田部先生に関して、"当時の毎日新聞において、矢田部先生をモデルとした小説が連載されていた"という話も自叙伝に掲載されていて。
「ええぇ?! ドラマの演出かと思っていたら、あれ、実話だったの......?!!」と驚いたり。

更には、牧野博士の金銭感覚はやっぱりドラマ通りだったらしく。
「牧野は百円の金を五十円に使った」と笑われたと牧野博士ご自身で語るほどに、お金に対しての感覚が世間とズレていたそう......。笑

わたしは、連続テレビ小説「らんまん」と、牧野博士著の自叙伝を拝見して、好奇心の強い牧野博士のような"好き"という気持ちを大切にするヒトになりたいなぁ~と人生の先輩としての理想の姿を学んだ気がします。

そんな牧野博士に寄り添い続けた、妻の寿衛子さんは、周囲に「まるで道楽息子を一人抱えているようだ」とぼやきつつも、"陰になり日向になって、献身的に支えてくれた"んだとか。

"陰になり日向になって"という表現は、牧野博士著の自叙伝でもそのまま使用されていた言葉なのですが、凄く良い言葉だなぁと思います。草花も、影に咲くものもあれば、日の下に咲くものもあって。牧野博士らしい表現で、とても良いなぁ...…と思って、キュンとしました。

とまぁ、牧野博士に対する想いを語るのはほどほどにして、牧野植物園について紹介していきましょう!笑


実に、充実した人生を歩んだ牧野博士ご逝去の翌年 1958年に、業績を顕彰するように誕生した牧野植物園。

その園内に、2023年5月20日、新たに誕生した施設が誕生しました。
その名も「植物研究交流センター」です。

通称「ラボテラス」。日本で植物の研究をしている植物園はとても少なくて、"研究型植物園"でもあるという点は「牧野植物園」の特徴の一つといえます。

牧野博士自身も、今や漢方や入浴剤を販売している企業として有名な、あの大企業「(株)ツムラ」の創業者・津村重舎氏と親交が深く、植物研究誌の発刊においても手厚い支援を受けていたそうです。"植物"と"研究"は切っても切れない関係であり、植物って、ただ見て愛でるだけではなく、より良い世界を作っていくための可能性を秘めているということですね。

ラボテラス内の1階と2階は、いわゆる"研究室フロア"となっており、折角なので、公開されている1階のフロアを少し歩いてみました。

ラボテラス1階のお部屋としては、通路を挟んで4部屋あります。簡単にご紹介していきますね。

まず1つ目が、子供たちの植物に対する好奇心を育むための実験室となる「キッズラボ」。まるで理科室ですね!

2つ目に、植物の未知の可能性が眠る試料庫「生薬標本庫」。
植物の根・茎・葉・果実などの利用部位ごとに分けて、一定の温度と湿度の下で管理されています。石膏などの鉱物や牡蠣の殻なども薬効のある生薬なので、こちらに保管されているそうですよ。

3つ目に、おもしろいカタチの器具がいっぱいの「化学実験室」。
これらの器具を駆使しながら、医薬品、化粧品、機能性食品などの原料になる植物を探すため、植物エキスのコレクションを作っています。植物を抽出し、どの部位にどれくらいの有用成分が含まれているかなどの研究を行うんだそう。

そして4つ目。植物の遺伝子を調べたり、顕微鏡を使ったりと、観察をする実験室となる「生物学実験室」。ここで、植物の同定を行われたり、分布の広がり方や進化についても明らかにしていくそうです。

理科室みたいな雰囲気を感じるのが、かれこれ数十年ぶりなので。笑
見てるだけでもワクワクしちゃいました!

ちょこちょこキッズラボでの体験活動イベントも行われるようなので、是非、興味がある方はイベント情報に注目してみてくださいね。


2階は非公開フロアなので、お次は3階へ。
3階には、中門へ続く出入り口のほか、「RESTAURANT C.L.GARDEN」と「牧野ミュージアムショップ サクラ」があります。

見晴らしバツグン~!!!

レストランは時間が無くて残念ながら利用できなかったのですが、ショップ店内の植物採集道具を使った飾りつけが、もう見事なまでにオシャレ......!! 心躍ります。

新しい施設を堪能した後は、園内散策へレッツゴー。
まずは温室に向かいましょう。

ジブリ映画に出てきそうな温室の入口に足を踏み入れたら、まず空を見上げてみてください。

大木の洞窟をイメージした「みどりの塔」。青々と茂る緑と、差し込む太陽の光が穏やかで、温かな気持ちにさせてくれますよ。

そして、温室へ続く通路は、春先のランがひしめくピンク色の通路とはまた異なっていて。今の時期は、落ち着き感じるグリーンの通路の景色が広がります。
深呼吸したくなる、爽やかな感じで。ピンクも良かったけれど、グリーンもすごく良いですね~。


温室内では「サガリバナ」というお花が咲いている姿を発見。

「サガリバナ」は、バニラのような甘い香りを放ち、夜に咲いて朝には散る一夜花として有名で、「幻の花」ともいわれます。日本でも限定された一部の地域でしか見ることができない希少な花です。

こちらは、子供が乗っても浮かべるほどの浮力を持つ「オオオニバス」。

そんなオオオニバスの葉の裏側を、水面下から見上げることもできます!
大きな葉の裏には、魚から身を守るためのゴム手袋さえも突き通すほどに鋭いトゲがあるんです。生物の進化っておもしろいですね~!


温室を出たら、広い園内をテクテク思うがまま、カメラ片手に散策します(園内散策には、スニーカー靴が必須アイテムです...!)。


あっ!!
朝ドラで、神木さん演じる万太郎が「おまん、誰じゃ?」と言っていた「ムジナモ」もいました~!

「ムジナモ」は、日本、ユーラシア、、アフリカ、オーストラリアに点在している、根を持たない浮遊性の多年生の水草です。ミジンコなどの、水中にいる小動物を捕らえて、消化吸収することで、自らの養分としている食虫植物ですね。根っこが無い植物って、不思議な感じ。


こちらは、妻・寿衛子さんから名づけられた「スエコザサ」。
1年中落葉することなく緑色をしている常緑の笹です。

常に人を癒すグリーンカラーであり続ける姿は、いつでも明るく万ちゃんを支えていた、おスエさんを連想させると思いませんか?

艶やかしくもいじらしさを感じるこちらのお花は、「ジョウロウホトトギス」。
高知県固有種で、石灰岩地の山深い崖に自生する多年草です。

1887年に牧野博士が横倉山で発見し、花が上品で美しかったので、"宮中の貴婦人"という意味の上臈(じょうろう)の和名を冠として名付けたんだそう。盗掘や環境変化により、現在では極めて深刻な絶滅危惧種に指定されている植物の一つでもあります。


その他にも、今の季節はこんな植物たちが園内にはいらっしゃいましたよ。
 ↓ ↓ ↓

上から順に、キバナノツキヌキホトトギス、サイコクヒメコウホネ、ゴヨウアケビ、フヨウ、フジバカマです。皆違って、皆キレイですね。
とても心癒される時間でした。


最後に、牧野植物園での個人的なオススメお土産情報コーナー!(ぱちぱち)

前回訪問時から新しい商品等も入荷していて、ショップの見応えもかなり増していました! そこで、今回は購入した中から、中でも、個人的に感動を覚えた2つの商品をご紹介させていただきます◎

まず、一つ目は、エチオピア産とブラジル産のスペシャリティコーヒーをブレンドした「牧野富太郎ブレンド(細挽き)」です。

パッケージには、博士が残した「Makino.」の筆跡があしらわれていています。

実際に「牧野富太郎ブレンド」を飲んでみると、酸味が少なくて、深めの味わい。
キレのいい珈琲、という印象です。

コトバスツアー参加特典として配られるアロバーさんのコトバスブレンドコーヒーと飲み比べをしてみると、特に酸味の部分の味が違いが明らか。
珈琲の奥深さが垣間見えて、これまた趣味の沼にハマりそうです......。笑

牧野博士の著書の中でも「牛肉は幼年時代から一串せる嗜好品ですが、鶏肉は余り喜びません。コーヒーと紅茶とは至って好きで喜んで飲みますが、抹茶は余り難有思いません。今日は右コーヒーと砂糖とが得難いので困っていますが、しかしヤミで買えば何んとかなる」とあり、牧野博士が闇市でさえ求めるほどに、珈琲が大好物だったとうかがい知れますね。


そして、2つ目がクッキーです。
牧野博士の描いたバイカオウレンの植物図がモチーフの筒パッケージになっており、生姜クッキーと土佐茶クッキーの2種類。

このクッキー、侮る勿れ。
めっっっちゃ美味しいです。

どれくらい美味しいかというと、おいしさの衝撃で瞳孔が開いて、すぐさま商品裏のラベルで販売店をチェックしたくらい。笑


特に生姜が好きな人であれば、生姜クッキーは買った方が良いです!

口に含んだ時点で、生姜の香りがふわ~っと広がり。
噛んだときの食感も、ほどよいホロホロ具合で歯触りも良く、口の中が生姜の風味でいっぱい。

この生姜が、生姜っぽい味じゃなくて、本物の生姜の搾り汁を使っている味を感じる。もっと言うと、自分で生姜をすって、大量に生姜の搾り汁使った生姜アイスを作った時と同じ味がするんです。とにかくちゃんと生姜なんです。
すごい。美味しすぎて興奮するくらい、大好きな味でした。
生姜好きな人なら、これは絶対買ったほうが良いです(←大事なことなので2回言ってみた)。

ちなみに、クッキーを食した後の筒は小物入れとしても利用できるので、2度おいしいです!!最高です!!!!!!

……とまぁ、お勧めしたい気持ちのあまり、ちょっと熱が入りすぎて、かなり主観強めのお土産紹介となってしまった気がしなくもないのですが……苦笑。
少しでも、これから訪問される際の参考になれば幸いです☆

何度訪れても毎回違う景色が広がる、本当に面白い場所「牧野植物園」。
スタッフの方が牧野博士のような植物への愛をもって、丁寧にお手入れされたり、研究されていらっしゃるんだろうなぁ。と感じます。

大好きな場所過ぎて。来月にでも、また行きたいなぁー。

※参考・引用:「牧野富太郎自叙伝」(千歳出版、著:牧野富太郎)

▼(バックナンバー)2023年春訪問時のコラム


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