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ダーリン、好きだっちゃ

「死ぬまでに一度も言う機会がなさそうなセリフNo. 1」であり、それと同時に「死ぬまでに一度は言ってみたいセリフNo. 1」でもある、ダーリン、好きだっちゃ。

すごいセリフだと改めて思う。
豪速球、消える魔球、三井寿を甦らせる“あの音”、その全てを一球入魂してリボンを付けたような、華のあるセリフだ。
他に類を見ないパンチライン。可愛過ぎて呪いに近い呪力を感じるが、それでいてケロッとしていて軽やかである。

自分はまがいなりにも『言葉』が好きだから、面白いなと思った言葉や言い回しがあったらすぐに使いたくなってしまうタチで、先日は覚えたての「マグル」という言葉をかなり気に入って乱用していたが(※魔法が使えない人間のこと。ハリポタの影響。)
「ダーリン、好きだっちゃ」は、使う機会があまりにも無さすぎるし、汎用性がゼロに近しい。

この世界には、ダーリン好きだっちゃを楽しく使えているカップルがいるのだろうか。
クリスマスムード一色の煌びやかな街で、なんとなくそんなことを思った。

将来がどうとか、年収や仕事がどうとか、小賢しい価値観なしに、純粋に相手を好きでいなければ「ダーリン、好きだっちゃ」は通用しない。
「ダーリンのお仕事好きだっちゃ」はあまりに港区で、「ダーリンの年収好きだっちゃ」はあまりにも下世話である。
やはり単純に「ダーリンの顔が好きだっちゃ」くらい清々しいか、「ダーリンって本当私服がダサいし耳の後ろがなんか臭いけど、いつも楽しくて好きだっちゃ」などの抱擁力多めのラムちゃんしか成立しないのだと思う。

むしろ、「ダーリンのお金が好きだっちゃ」なんてラムちゃんがいるのなら、そいつはただの銭ゲバであり、カイジと一緒にエスポワール号に乗せて、ざわ…ざわ…等させたり、帝愛グループの命をかけたデスゲームに挑ませても何の罪にも問われないだろう。

「お金を稼ぐこと」は、その人の魅力の一つになりうるが、「お金を稼ぐこと」が相手を好きな理由になった場合、打算しか生まれないし、そんなのって愛じゃないと、私は思う。愛に近い何かであって、私にとってそれは、とどのつまり「打算」だ。
実にチンケで、つまらない。品もない。そんなことで人を選んでるなんて、他の誰よりお前が1番将来性に欠けてるとさえ思う。

私がこの「ダーリン、好きだっちゃ」というセリフに魅力を感じるのは、多分、そういう打算が成立しない言葉だと思ったからだ。
原作を読んだこともないし、ストーリーも正直知らないのだが、たぶんラムちゃんは小賢しくなんかない。絶対ない。履歴書に箇条書きで表せるような事項で人に惚れたりなんかしない。もっと本質を見抜いてこのセリフを言ってるに違いない。(知らんけど)
恋愛強化系の右ストレートで相手の男をぶちのめすのだ。あのワケのわかんねぇ破廉恥な服装で、好きな男の全てを受け止めて、なんなら食い尽くす。時々素直に怒ったりブチ切れたり、不機嫌を剥き出しにして「自己」を開示してくるが、その代わり、好きなの男のケツに生えた、邪悪なまでに太いケツ毛の一本まで愛せる。そういう気概を感じる。(マジで知らんけど)

何が言いたいかって、ガチの恋って最高だよなってこと。
つまんない理由で人を好きになんかなるな。そんなんなら1人でいた方がいい。つまんない恋なんかしてるヒマは、私たちには無いんだよ、相手のスペックがどうこう言ってるのは、ポケカバトルと同じ。そんなつまんない打算で恋愛してるなんて、カードショップの匂いがプンプンしてくるぜ、くっせーくせー、家に帰って風呂にでも入りな、話はそこからだ。

あなたの恋は「ダーリン、好きだっちゃ」が成立しますか?
胸を張って「してるっちゃ!」と言えるものだけが、幸せなクリスマスを過ごすことを許可します!!!!!!以上!!!!解散!!!!!!!!!!


このお金で一緒に焼肉行こ〜