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詩 003 「あの店」

あの店 無くなったんだな
いつの間にか 無くなったんだな
あの角に あって欲しかった
なんとなく あって欲しかった

たばこ落ちてた 誰かが捨てた 
ぶち猫寝てた 誰が育てた 
草と干からびた蜥蜴と影が
みんな伸びてた 猫伸びしてた

行ってみたい 入ってみたい
たしか私は そう望んでた
酌む手を止めて サンダル履いた
たしかめたくて 扉を開けた

赤信号が 点滅してた
アスファルトが それを映してた
藪を踏み分け 足を濡らした
ここは追分 猫はいなかった

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