短編小説 「ジパングの或る村で」
鈴木村長が告訴されたのは、ちょうど半年前のことだった。
原告は50歳の女性村議。
彼女は村長から強引に性的関係を持たされたと主張していた。
万年野党たるみんみん党の党首や決して一流とは言えない某大学の教授を始めとする複数の著名人が彼女への支援を表明したこともあり、メディアは大々的にこの騒動を報じた。
また早々に結成された後援会がSNSを使って英語で情報を発信した為、国外のメディアや活動団体からも注目を集め、女性村議は一躍時の人となった。
しかし彼女の話は終始不得要領であった