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早く人間になりたーい!

ぼくは現在45歳。世の中的には中年。
だが、介護施設では若いとチヤホヤされている。この業界で感じる居心地の良さのひとつである。
前職のホームページ製作会社では新卒の子がバンバン入ってきていた。技術革新のスピードが速い業界では、若いとうことが圧倒的な武器になる。技術の習得も早く体力があるからだ。
その点、介護業界ではぼくより体力がある人がそういない。利用者さんにも職員も、ぼくより上の年齢の方がいる。
70代の介護職員の方が、現場でバリバリに入浴介助や体操・レクリエーションをやっている。よくよく考えてみると同じ70代の方に比べたら、その方々は超人的な体力をもっているのかもしれない。ぼくもあのようになれるのだろうか。

100歳を越えても歩いて自分でトイレに行く方もいれば、70歳で車椅子にのったまま動こうとしない方もいる。転倒して入院して、不死鳥のようにデイサービスに蘇ってくる方もいれば、そのまま長期入院となり帰らぬ人となる方もいる。

しわっしわの顔の方もいれば、つるんとした肌の人。枝みたいに細いうでの方もいれば、ミシュランマンみたいな方もいて。
メガネのフレームが片方壊れているのをガムテープで補強している方もいれば、ザマスチェーンメガネの方もいる。この方はジャージ以外着ていないだろう。冠婚葬祭もジャージなのか?それともスーツ柄がプリントされたジャージがあったりして。いとこのおじさんは西部劇に出てくるガンマンみたいにテンガロンハットをかぶりチョッキをきていた。伸び縮みしないジーパンを履きベルトをしているので、旅行に同行したときはトイレ介助に苦労した。

さて、このあたりで何について書いているのかが分からなくなってきているのだが「若さ」とは失っていくものではなく、過去の積み重ねでできているということだ。

生活習慣がよくなければ体は蝕ままれるし、苦労が多い人生であればシワが刻まれていくだろう。ただのシワかそれとも説得力を持つしわなのか。自立せず幼稚な考えのまま生きていれば自信のない顔つきになる。

やっぱり下ネタを連発するおじいちゃんの顔は、なんかスケベな顔をしている。

鏡の前で自分の顔を確かめる。なんとも形容しがたい、特徴のない顔だった。「早く人間になりたーい!」

さて、いとこのおじさんの西部劇ファッションのルーツはなんなのだろう。インディージョーンズが好きなのかな?荒野の用心棒か、いやドンタコスか。

介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。