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介護劇場

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高齢者が主人公。振り回されるぼく。介護・介護現場ので起こる出来事をおかしく描写して感じたことを綴っています。
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#介護現場

たとえるなら

ドリフトしないと曲がれそうにない腰 絶望の時に時が止まったかのような顔 水を抜き切った豆…

見えないものと見えるもの

椅子はいつもの位置に。 脱いだ衣類を入れるカゴには、チャックを閉めたままのカバンを置いて…

笑顔と笑い声を届けよう

認知症高齢者の方とのコミュニケーションは、なかなか一筋縄ではいかない。 言葉による意思の…

転んでも、缶ビールを買いに行く

自分が勤めているデイサービス利用者さんを近所でよく見かける。 その人はトボトボとした歩き…

むくみとの対決

「だいこん足」とはよく言ったもので、まぁ、よく育った大根なのだ。 高齢者の足、とくにふく…

もぬけの殻のベット

え?!Kさん!どこにいった! いつもの部屋にKさんがいない。そこにベットはあるものの、シー…

腹に5つの傷を持つ男

「おなか見てみろ。へそが5つあるだろ」 背中を流していると、その人は得意げに話しかけてきた。 入浴介助の時は利用者さんとの距離がグッと縮まる。裸の付き合いになるともう隠すことはないのだ。 確かに僕は濡れてもいい格好の服をきているわけで裸ではない。しかし、その人のオケツや股間を洗う大役を担う。心の距離を置いて接してしまえば、大事なところは洗えないのだ。これは介助者としての嗜みだ。 遠慮なく、その人のおなかを見せてもらった。理科の実験でもしているのか、ジロジロみる。確かに「ケ