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森透匡(もりゆきまさ)一般社団法人日本刑事技術協会代表理事

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森透匡(もりゆきまさ)さんと森雅人さんは兄弟ではありません。同じ苗字で名前も似てますね。お2人の森さんは一般社団法人日本刑事技術協会の代表理事と理事です。全国で講演会をしています…
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2020年10月の記事一覧

不正情報を入手した時の対処方法

不正情報を入手した時の対処方法

 私は横領や詐欺を扱う知能犯担当の刑事経験が長く、会社役員や従業員の横領、詐欺などの不正事案を捜査することが多々ありました。そもそも企業が警察に訴えてくるケースは、当事者による被害弁済が不可能だったり、所在不明になった等の理由で「刑事事件やむなし」という判断が下された結果です。企業としてはなるべく表沙汰にせず、内々で処分することが多いので警察が関与するのは不正事案の中でも一握りだと言えるでしょう。

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採用面接は採らない勇気を持つこと

採用面接は採らない勇気を持つこと

 私は企業の経営者や人事担当者に向けて、採用面接での応募者の心理やウソの見抜き方について研修やコンサルティングをしていることはこれまでお話してきたとおりです。
 企業が新たな採用を考える場合、広告費を使って募集広告を出します。しかし、会社の規模や勤務地によっては「ほとんど応募がない」という話をよく聞きます。年々、生産人口は減少していますし、世の中が人手不足ですから応募が少ないのはある意味仕方ありま

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採用面接の目的は情報収集

採用面接の目的は情報収集

 私は、企業の経営者や人事担当者に向けて、採用面接での応募者の心理やウソの見抜き方について研修やコンサルティングをしています。しかし、「なぜ採用面接の経験も少ない元刑事のあなたがそんなことを教えられるのか?」「そもそも刑事の取調べと採用面接は違うのではないか?」と疑問に思われる方もいます。しかし「取調べ」と「採用面接」には共通点が多いのです。それは「取調べ」も「採用面接」も情報収集の場であるという

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採用面接で使えるウソの見抜き方

採用面接で使えるウソの見抜き方

アメリカではCIAやFBIの元捜査員が独立してコンサルタント会社を設立し、ウソの見抜き方を教えているケースがあります。ところが私の知る限り、我が国ではそんな会社はありません。実は私が独立を決意したのは刑事として培ってきた「ウソの見抜き方のスキル」をビジネスで役立ててもらいたいと思ったからです。刑事の仕事はウソを見抜く場面の連続です。犯人はもちろん、目撃者、被害者ですらも虚偽の事実を告げる場合があり

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ビジネスには人を見抜く力が必要

ビジネスには人を見抜く力が必要

私は、平成24年8月に約28年勤めた警察を退職しましたが、約20年を刑事として過ごしました。詐欺、横領、選挙違反、贈収賄事件などを扱う知能犯担当が長く、政治家、公務員、詐欺師など約2.000名の取調べや事情聴取を行いました。退職時の階級は警部で刑事課長、本部課長補佐、警察庁(管区)課長補佐、広域緊急援助隊中隊長を経て独立しましたが、その大きなきっかけは東日本大震災でした。3.11の夜から救出部隊の

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元知能犯担当刑事が教える!
コロナ禍で増加!経営者が詐欺に騙されないためのポイント

元知能犯担当刑事が教える! コロナ禍で増加!経営者が詐欺に騙されないためのポイント

■コロナ禍で詐欺も増えている
 新型コロナウイルス感染に便乗した詐欺事件(未遂も含む)の被害が3月上旬以降、全国で確認され、被害額が計約9000万円以上にのぼることが警察庁のまとめでわかっています。手口は給付金や助成金などを名目にしたもの、また、融資に必要な保証金の名目で現金を振り込ませる手口などもあり、更にはマスクや消毒液などを販売すると偽り、代金を詐取する事件も引き続き確認されています。
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