【ことばの指導法】虫取りゲーム〜家の中にある物の名前って意外と難しい〜
こんにちは。言語聴覚士の木山幸子です。
以前紹介した「なぞなぞかるた」の記事。なぞなぞを出し合いながら語彙のトレーニングをしていくものですが、これをやっていてよく思うのが、家の中にある物の名前って、こちらが思っている以上に定着していないな、ということです。
たとえば「フライパン」「電子レンジ」といった台所用品、「エアコン」「網戸」といったリビング用品。日常的に使用する物の名前は日常会話から吸収していくものですが、ことばゆっくりさんの場合、語彙ネットワーク形成の苦手さから、これらの語彙が会話中飛び交っていても、ぼんやりとしか聞き取れていない可能性があるのかなと考えています。
物の名前を覚えるためには何度も言ったり書いたりすることが有効というわけではありません。
しかしながら、自分が会話中に使ったことばを習得が早いのも事実です。今回はおうちの中の道具や家電などを楽しく覚える遊びを紹介します。
虫取りゲームをしてみよう
用意したのはセリアで購入した「昆虫おりがみ」。それに小さめのマグネット、クリップ、割り箸、両面テープです。
折り紙で昆虫を作るとこんな感じ。折った昆虫にはクリップをつけてください。
また、マグネットを割り箸の先端に両面テープで貼り付けることで、虫取り網(というよりとりもちに近い?)代わりになります。
あとは家中に昆虫をばらまくだけ。このとき、普段、お子さんがあまり知らなさそうな家電などの近くに置いてみてください。「どこにあったの?」と尋ねることで語彙のトレーニングになります。答えられなかったりことばが足りなかったりすることもあるでしょうから、そのときは「電子レンジの中、だよ。ほら、言ってみて」答えを教えてあげつつ復唱させてみてくださいね。
なおこの折り紙、かなり難易度が高く、お子さんには難しいかもしれません。(私の折りっぷりがかなりひどいのを見てもおわかりいただけるかと思います。)折り紙の課題ではありませんので大人が折ってあげてかまわないのですが、忙しいお父さん・お母さんのために、セリアには昆虫かるたという写真カードも置いてあります。こちらにクリップをつけたのでもOK。
なお、虫を仕込む場所として、こんなところはいかがでしょう。
【リビング】テレビの裏(裏ということばの学習)、ヒーターの上、電気のかさの上
【キッチン】炊飯器の上・中、電子レンジの中、シンク、フライパンや鍋の中、ざるの中
【その他】植木鉢、洗面器、バスタブ、クローゼット、ハンガーにひっかける、階段の手すり(手すりということば、知らないお子さん多い印象)
ことばは経験しないと身につかない
もっと大きくなれば、辞書や小説などから新しいことばを学ぶこともあるでしょうが、小さい間はことばと楽しい記憶が結びつくことで語彙が増えていきやすいです。虫取りゲームで家中を探検しながら、語彙を増やしていきましょう。
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