こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜②合言葉は”ぴったんこ!”〜
「えあわせカード」は、ただのパズルじゃない!?
前回投稿はこちらです。
ダイソー「えあわせカード」の紹介
ダイソーのおもちゃ売り場に必ずある「えあわせカード」シリーズ。一家にひとセットはあるんじゃないかというくらい、お馴染みです。
早いお子さんだと1歳後半くらいから、「ぴたっ」とひとりで合わせられるかなと思います。2、3歳くらいだと、たくさん広げて、その中から自分ひとりでパズルできるようにも。
構成課題とは
この2枚のパズル遊びのことを「構成課題」と呼びます。一見単純な遊びに見えますが、①ばらばらの絵の反対側を想像して、②探し出し、③組み合わせるという3つの過程が含まれており、実は複雑な認知機能を使っていたりします。数が増えれば②の過程がもっと難しくなりますね。
構成課題は「空間認識」という能力を育ててくれます。空間認識とは、どこに何があるのか把握する力のこと。たとえば絵を描くとき、何かを見て紙に写していく作業時にはこの力が必要ですし、文字を書くときも「どこからはじまって、どこでくるっと回って、どこで終わるか」など、この力を使うことになります。ざっと周囲を見渡して、どこで誰が何をしているのかを把握する力は、集団生活の中でお友達と行動をともにするためにも重要。……と、ずいぶんふろしきを広げてしまいましたが、こうしたことを考えながら、私たち言語聴覚士は課題を取り入れています。
構成課題に「コミュニケーションあそび」をプラスしよう
奥が深い構成課題ですが、せっかくならここにもうひとつ、親子のコミュニケーションを深める要素をプラスしてみましょう。題して「ぴったんこあそび」です。
カードを全部広げるのでなく、半分は親が持ちます。それを子どもに見せて「ママとぴったんこできるのはどれ?」と聞いていきます。
子どもが「これ!」と探し出せたら、お楽しみの答え合わせです。「あってるかな〜?」と言いながらカードを合わせて……「ぴったんこ!!」
ひとりあそびからコミュニケーションあそびへ
構成課題は、ひとりで黙々と遊べます。ですがここに「ぴったんこ!」の合言葉を入れれば、それがコミュニケーションを育むあそびに変わります。1歳くらいの、ことばを話し始めたお子さんなら、たちまち「ぴったんこ!」のことばをおぼえるでしょうし、「ママとぴったんこ!」「パパとぴったんこ!」と2語文にもつなげていけます。
ひとりでできるあそびから、誰かと一緒にするあそびへ。この芽は、幼稚園・保育園に入園した後、お友達と遊べることにもつながっていきます。大好きなパパやママとしか味わえない合言葉。単純であるからこそ今しかできないコミュニケーションあそびを、ぜひ取り入れてみてください。
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