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キャンバス

昨日50年振りぐらいにキャンパスなるものを買いました。

「キャンバスなるもの」なんて書いていますが、しっかりキャンバスがなんなのかは分かっているのですが、その今更買った恥ずかしさを被覆するためにちょっと「しらばっくれてみた」わけです。

わたし実は数年間だけ「油絵画家」を志した事があります。
「志」というよりは願望ですが、昭和40年代に「画家」を目指すというのはふつうの家庭においてはかなり冒険でした。『食べられない』と言われてしまうのは目に見えているわけで、高校か中学校の美術教師になってというと画家になることよりも先生になることのハードルの方がわたしには余程高い。向いていない。

高校で工業高校の工業デザイン科に進んだので一般的には「絵の道の一方向」と外からは思われそうですが、全然に近く違うものです。

画力だけで食べていける自信はまったく持てませんでした。

とは言え『一度ぐらいはトライをしておこう。』と思って高校3年の夏と冬に美術予備校の講習に通いはしました。そして現役の時に愛知県立芸術大学の油絵科だけ受験をして、一次試験であっさり落ちてすっかり「邪気」から目覚めて本来の工業デザイン科を目指しておかげさまで一浪で同じ愛知県立芸術大学に合格しました。

いうほどに「絵が好きではない」「絵に熱中もしていない」ただその道はお勉強よりも競争者が少ないにすぎません。

油絵科を本気で受けようと思って修練したデッサン力は伊達ではなくて油絵専攻の中では平凡だったデッサン力もことデザイン科の中では光っていたわけです。

ちなみに油絵科を目指したのにキャンバスに油絵を描いた記憶は3枚しか無いのが笑い話です。そりゃはじめから無理です。

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さてなぜキャンバスを買う事になったのか、それは数ヶ月前に購入した中村琢二さんの絵の影響です。

良い感じですよね。たぶん下地を塗ったキャンパスに一回筆を入れただけで絵が成立しています。そこに迷いもありません。
もちろん中村さんの画風を参考にはしませんが、「こころもち」は大事にしたいなあと思っています。

秋田道夫
2023/7/4

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