34. 委ねる



「まったく、わからないことばっかりだぜ!」



と憂う。

すこし先の未来が、ふと霞む。





ひさしぶりに涼しい今朝、散歩をしていて、

道に迷う。


小さい頃から慣れ親しんだ町。

「どこに隠れてたの!」と腕をバシバシ叩きたくなるほど、森が多く残っている、

素敵な平屋がおおくあって、

畑があって、

古民家カフェにきれいな黒猫。

自分がどこにいるのか、

私が住んでいるあの町に、果たしてこの道は繋がっているのか

さっぱり検討つかなくなって、

「このまま、夕方ころまで帰れなかったりして... 」

なんて、こわくなった。

人通りも多くはないけれどそこそこあるし、

電柱に記載された町名に聞き覚えもあったのだけれど。





未来はわかるものじゃない。

見えるものではない。

ひとは、"今" を感じて、気持ちやことばや動きを選択するしかない。

"今" さえわからない。

自分が選択した道が、正しいのかすらもわからない。




ウォーキング中の親切なご夫婦に道を教えていただき、

1時間強の散歩を終えて、無事に帰宅しました。

見覚えある道が目の前にひろがりはじめたとき、

オドオド、慎重な喜びへの疑いが、

じわじわ、確信の安心へと色を変える。


お家に着いたとたんに、大雨が祝福してくれました。



「おかえりー!よく帰ってきたね!」



って。





なるみ.

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