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衝撃の出会い(広報編①)

「どうも、僕たちそらいろで~す!」

 これが、情熱おじさんこと岩尾との出会いです。2019年春のことでした。難聴児の次男(当時1歳)の療育施設の始園式の最後に「難聴の子を持つ家族会そらいろ」のコアメンバー数名が壇上に立つ様子は明るいどころか無駄に明るく、これから始まる本格的な療育への不安を吹っ飛ばすような衝撃を受けました。

 帰宅し、チラシのURLにアクセスしたところ、二度目の衝撃を受けることになります。圧倒的な情報量! これまで自分が知りたかった情報がそこには集約されていました。うわ~、なんで検索しても出てこなかったんだろう~、すごい! 私と同じ立場の人が見たらきっと役に立つだろうな~。そして次の瞬間、思ったのです。

 「この家族会の活動内容は、社会に知らせる必要がある。そうだ、広報をしよう」って。

たまたまですが、これまで上場企業などで広報の経験があったこともあり、即決しました。

 ああ、入会手続きまだだった(せっかちあるある)。

 手続きを済ませながら、考えます。
「岩尾さんにどうやって伝えよう? 広報いらないかもしれないし、入会しただけだからいきなり何?って思われるかもな、やめておこう……」
そっと胸にしまいました。

 それから数週間。ふとカレンダーを見ると、来月6月6日は補聴器の日。「記念日リリース」として、プレスリリースデビューにはうってつけではあーりませんか。やんわり探ってみようと思い、岩尾さんにLINEしました。

 内容は細かく覚えていませんが「菓子メーカーなどで広報経験があって、お手伝いできればなと考えています」といったものだったと思います。

 はや、もう返信来た! しかもめっちゃ長文!

 「広報、いいね!前からやりたいと思っていたけどやり方がわからずでした。ぜひぜひ!一度話したいですね。そのメーカーのポテトチップスは奥さんがファンでね、あ、河原さんもビール好きなの? 俺もビール好き!」

 (^^ゞ(^^ゞと、!!!と、(笑)(笑)(笑)だらけの文。今も変わらぬ岩尾の特徴の一つです。

 数日後、私の顔も知らない岩尾と会ったのは、土曜のお昼・博多KITTEの「銀座ライオン」。当時年少の息子も一緒に約2時間、たくさんのことを話しました。

 私 「補聴器の日(6月6日)にプレスリリース出したいです。良いタイミングかと」
岩尾「プレスリリース? それお金かかるの?」
心の声「え? それも知らないのかぁ。でもある意味やりたいようにできるかも!」
私 「市政記者クラブへの持ち込みなので、印刷費+交通費(もしくは郵送費)程度です。よくわからないと思うので、原稿たたき台作ったらお届けします」
岩尾「いいね! やってみよう!」
心の声「はっや。」

 即決済の後は、広報活動ってこういう類のものがありますよとか、ほぼ雑談レベルの初顔合わせ会が終わりそうになった時、岩尾が言いました。ビールの勢いもあったかもしれませんが笑、はっきりと覚えています。

 「広報活動がうまくいったら、3年後とか、一緒に何かできるといいですね」

 その3年後の何かが、「一般社団法人言葉のかけはし」になるとは……。
当時の自分に教えてあげたいです。目の前にいる情熱おじさんは、数年後あなたの上司?になるんですよって。

 ******

 2019年5月30日。かけはしの前身となる「難聴の子を持つ家族会」の第1回プレスリリースを発信しました。福岡市政記者クラブ(福岡市役所内)の帰り道、心に決めたことがあります。

 「難聴の課題解決をする一手がこの家族会にはある。それらを世に伝える必要がある。
メディアが見向きもしてくれなくても、継続しよう」
「5年後には、NHK(できれば全国区)での露出を目指そう」
「福岡で圧倒的に目立てば、東京や全国に打って出れる」

 東京・福岡の企業の広報を担当していた経験から(なんとなく)導き出した、自分なりの戦略でした。

 ***

 広報は、広告とよく混同されますが全く違います。

簡単に言いますと「広告はBuy Me」「広報はLove Me」と言われます(広報で有名な方が提唱する考え。個人的にこの表現が最もわかりやすいと思います)。

「広告=私を買ってえええ!」
「広報=私を愛して♪」
だとだいぶイメージが変わりますよね。

とはいえいきなり「愛して」というのも重すぎます(笑)。

 まずはより多くの方に好きになってもらえるよう、いや、まずは知ってもらえるように……。家族会の年会費は当時300円、かけられる費用なんてありません。やるときまったらスピードが命。情熱おじさんとの出会いから約1カ月後、プレスリリースを発信してドキドキしながらメディアからの連絡を待ったのです。

 続く

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