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難聴者の「学ぶ」「働く」を応援する社会づくりを進めたい!

皆さん、こんにちは!
岩尾です。

今日はお知らせと、かけはしの思いをちょっとお話しさせていただきます。

2020年12月15日、ちょうど2年前の今日、
「聞こえづらい世界の正しい理解」を常識にしたい!
と、クラウドファンディングを行いました。
おかげさまで多くのあたたかいご支援をいただきまして成立。
2021年7月に「なんちょうなんなん」という、難聴理解のためのアニメが完成し、多くの場所で多くの人に見ていただいています。

このなんちょうなんなんを使った講座も、2022年度、小学校や中学校、公民館などでやってきました。
参加された方は、
「知らないことばかりだった」
「誤解していたことがあった」
など、正しい理解が少しずつ広がっています。

しかし、その一方で、やはり・・・
やはり、「軽く見られてしまう」という部分は、大きく、よりクッキリと浮かび上がってきた感覚があります。

いろいろありますが、今日はその一部をお話します。


子どもの言う大丈夫は、大丈夫じゃない

これは、難聴児の家族、難聴児に関わる先生たち、支援者たち、みんなが理解して、そのための行動を起こす必要があると思っています。

なぜかというと、この大丈夫を鵜吞みにして、多くの情報がヌケモレたまま学校生活を送ることになって、勉強がよくわからない、友達ともうまくいかないと自分を責めたり、嫌な思いをしたりして過ごさざるを得ない難聴の子たちがものすごく多いからです。

もちろん、それでもうまくやっている難聴児もいます。
でも、かけなくていい負担を強いられている事実はありますし、サポートのお願いをサラッとやっただけでうまくいっているのは、ごくごく一部の人でしかありません。

実際に大人の難聴の人と話すと、口々に言われます。

「学校の時は、正直、言葉はよくわからなかった」
「言葉はわからなかったけど、でもどうすればいいかわからない。先生もどうすればいいかわからない。自分もどう伝えたらいいかわからない。わからないことがわからない状態だった」
「自分は人を楽しませられない、面白みのない人間だと思っていた」
「女子の声は小さくて聞こえず、男子とばかり話すようになって、女の子たちから敬遠された」
「シカトするなといじめのようなものにあった」

などなど・・・

おそらく、このようなことは、思春期に入ってくると、親には相談しないケースが多いでしょう。
隠したくなるはずです。

なぜこうなっているのか?

周りが難聴のことを知らないからです。
自分も、難聴のことをうまくわかってないからです。

ではどうすればいいのか?
アニメで知ろう!難聴講座を、クラスで実施するだけでも大きく変わります。

小学校6年生、中学1年生の講座の感想でよく目にしたのが、

「後ろからの声がわからないとは知らなかった」
「私は○○さん(難聴児)と保育園ころから一緒だったから、難聴のことを知ってたつもりだったけど、勘違いしてたこと、知らないことがたくさんあった」
「無視されたと思ったことが何度かあったけど、あれは聞こえてなかったんだと思った」
「無視したとかでよくトラブルになってたのを見たことがあるけど、あれは聞こえなかったんだ」

どうでしょうか?

知らないんです。

知らないから、サポートも当然できないし、それどころではなく、「あいつは無視をする嫌な奴だ」とさえ思われてしまうことがあるんです。

それをわざわざ本人に言うことは少ないでしょう。
人知れず、そういう評価になってしまっているんです。

もちろん、講座をするというのは、手段の一つです。
要は、親がしっかりと学校と話す必要があるんです。

特に小学校1年生、2年生、中学年になってもですが、本人はなかなか言えませんし、本人は聞こえない世界しか知らないので、大丈夫と言ってしまいます。

だからこそ、親が言う必要があります。

これは、過保護でもないし、特別待遇を求めているわけではありません。
スタートラインに並べていないのを、何とか少しでも近づけるためにできることを学校に伝えることなんです。

もともと、背負わなくてもいい重い荷物を背負ったままの状態で学校生活を送ってるんです。
これだったら、誰もが「先生、この荷物、降ろさせてくれませんか?」って頼むでしょう。
これを特別待遇だ、過保護だと言う人はいないはずです。

でも、「聞こえない」ことになると、なぜか、家族でさえ、サラッと流してしまうようになるんです。

大人の難聴の人に話を聞くと、家族からも心無い言葉を言われて傷ついたということも聞きます。
家族が手話を覚えてくれないので、細かい話ができない、わかり合えないという方もいます。

アニメで知ろう!難聴講座は、無料でやってます。(交通費のみ実費)
でも、なかなか頼まれません。

そこまで必要ないと思ってるからだろうと思います。

ここなんです。
ここに、大きな隔たりがあるんです。

それが、今年度活動してみて、よくわかりました。

難聴理解が広がらないのは、周りが知らないことが大きいんだと思ってました。
もちろんそれもあります。
でももう一つ大きなことは、
家族でさえ、「そこまで言わなくていい」「そこまでやらなくていい」「普通にみんなと一緒に生活していればいい」
こう思ってしまっているところが、実はかなり大きいんだろうなと感じています。

「普通にみんなと過ごす」
この普通とは何でしょうか?
難聴児は、何もサポートがなければ、普通にはいられません。
普通にみんなと過ごすためには、サポートのお願いをする必要があるんです。
サラッとではなく、きめ細かく、継続的にです。

それでも、お願いをしたから全てできるわけではありません。
少しずつ、実践してみて、取りやすいコミュニケーションを見つけていくんです。
それには、やはり講座などで、考える機会は非常に有効です。

今年度、本当に思った以上に講座の依頼が少なく、この大きな課題を認識しました。

でも、サポートの必要性を感じている家族ももちろんいます。
必要性を感じて共感してくれる大人の難聴の方もいます。

そういう人たちの力をぜひ借りて、この講座をもっと拡げたいと思いました。
もちろん、講座をやることが目的ではなく、難聴のことを周りに知ってもらう、家族にも知ってもらうことが目的です。

そこで、前回のクラウドファンディングから2年経った今、新たな挑戦として、
難聴者の「学ぶ」「働く」を応援する社会づくりを進めるため、マンスリーサポーター募集のクラウドファンディングを実施することにしました。
12/23(金) 10:00開始です。

公開後URL
https://readyfor.jp/projects/nancho_kakehashi

言葉のかけはしを設立して1年ちょっと。
かけはしは、僕と広報・河原の2人だけで運営していますが、実は2人ともまだ無報酬です。
さすがに資金が尽きかけています。

でも、古くから理解されてこなかった難聴の人たちの未来を諦めたくないんです。

と言いますのが、この1年ちょっとで、大きな課題、隔たりもわかったのですが、実際に講座をすると、わかってくれる子どもたちや、大人の方たちが多くいるんです。
わずかですが、手応えはあるんです。

そして、2025年には、デフリンピック(聞こえない人たちのオリンピック)が東京で開催されることが決まりました!
これから、聞こえのユニバーサル化が加速されるはずです。

だからこそ、かけはしの活動を続けることができれば、絶対に難聴者の未来を変えられるはずだと強く思っています。

そのためには、やはり継続的な資金面のサポートが必要です。
かけはしの活動は啓発活動なので、無料でやる部分も多く、収益事業も考えていますが、2人だけではなかなか賄いきれないところがあります。

ですので、共感していただいた方々の応援をいただき、何とか理解を拡げ、難聴者の未来を作っていきたいと思っています。

12/23まで、少しずつ、難聴啓発のこと、懸ける思いなどをお話ししていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。

言葉のかけはしの記事、活動に共感いただきましたら、ぜひ、サポートをお願いします! いただいたサポートは、難聴の啓発活動に使わせていただきます。 難聴の子どもたち、難聴者と企業双方の発展、そして聞こえの共生社会の実現のため、どうぞよろしくお願いします!