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社会課題の解決へ向けて

皆さん、こんにちは!
岩尾です。

難聴がわかるアニメ「なんちょうなんなん」は、
九州ADCアワードで、
「長尺(60秒以上)」部門 部門賞をいただきました!

これで11冠目。
以下が今まで頂いたアワードです。

★The 49th Japan Prize 2022 日本賞-児童向け部門 [ファイナリスト]
★62th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS-フィルム部門Bカテゴリー [ACCファイナリスト]
★京都アニものづくりAWARD2022-総合グランプリ
★京都アニものづくりAWARD2022-アニメーションCM部門[銅賞]
★京都アニものづくりAWARD2022-オリジナルコンテンツ部門[金賞]
★第61回福岡広告協会賞-WEB映像部門[Gold]
★FCC賞2021-FCC賞
★東京ビデオフェスティバル-特別賞[市民賞]
★第25回文化庁メディア芸術祭- エンターテインメント部門:審査委員会推薦作品
★難病克服支援「MBT映画祭」2021-[入賞作品]

多くは広告関連の賞ですが、今回の九州ADCアワードの審査員の方が言われていました。

「広告は、課題を解決するためのもの」

なんちょうなんなんを広告とは思っていませんが、でも、まさに課題を解決するためのツールとして作ったんです。
そういう視点で見てもらえて、これだけの評価を重ねてこれたのは、本当に有難いなと感じています。

一方で、これだけいい作品で、これだけ評価を頂いているにもかかわらず、再生回数は伸びず、社会の反応は、まだ今一つです。

もちろん、ファンになっていただいた方もいらっしゃいます。
当事者の方には多くの好意的な言葉をかけていただいています。
うちのような小さな小さな誰も知らない一般人か流している動画としては、かなり再生されている方だとは思います。

でも、これだけの評価を頂いている現状から考えると、全然認知が広がってないと言えます。
これは、うちの力不足でもありますし、ここが、やはりこの社会課題を解決するための第二の壁に来ているなと感じます。

そもそも、ほとんどの人が知らなかったんです。
そのために、いろんな不都合、不利益がずっと続いていました。

それは、保育園や小学校などで、子どもが難聴だからこうしていただけませんか?というお願いに、応えてくれないということがまず起こります。

合理的配慮という、自然なお願いにもかかわらずやってもらえない。
そこで、大半の人は諦めます。
「自分だけそこまでワガママを言えない」
と思ってしまうんです。

でも、それは違います。

ワガママではありません。

優遇のお願いをしてるんじゃないんです。
うちの子だけ、テストの範囲を教えてとか、そういうことを言ってるんじゃないんです。

スタートラインに並ぶためのお願いなんです。

でも、誰もここを知らないから、わかってないから、ワガママだと思われることもあるし、自分でそう思って諦めることもある。

でも、それっておかしいですよね?
多数派の意見がいつも正しいわけではないですよね?
誰にでも知らないことって多くあるわけです。

でも、多数派が間違っていても、その論理で動いてしまう現状が今はあります
これは、明らかにおかしいと思うのです。

だから、聞こえない世界の正しい理解を常識に変えたいと思ったんです。
そうしてつくったのが、
この「なんちょうなんなん」です。

関係者にはすごく好評でした。

アワードに関しては、最初の方は、やはりなかなか届きませんでした。
一つ入選し、二つ入選し、と、段々と目を向けていただけるようになりました。

クリエイティブに関わる人たちの感度の高さに拾ってもらえるようになっていったのかなと僕自身は思っています。

ただ、実際の生活の場にまでは、拡げられていない状況です。

それでも、小学校や公民館などでこの「なんちょうなんなん」を使った講座を行うと、すごく共感してくれますし、わかっていただけます。

あと、もう一歩踏み込んで、より、身近な課題として、すぐそばにあるものとして捉えてもらうことが、こちらの課題ではあると思います。

九州ADCアワードのグランプリは、

逆風っち何ですか?

奄美高校の生徒募集のポスターです。

かなり生徒数が減っている。
近くの高校は甲子園に出場して、みんなそっちに行ってしまう。
生徒数を増やしたいという課題。

見事なポスターだなと思います。
(僕は広告の何たるかはわかりませんが)

このポスターにはドラマがあって、意図せぬもののようでしたが話題になり、反響を呼んだ部分はあって、でも、それを更に上手く使って本来の目的に沿った形で押し進めているようです。

このポスターでの効果がどう表れたのかまではわかりませんが、それでも、これで万事解決ではないはずで、これを今後どう使っていくのかにかかっていると思います。

うちもまさにそうで、うちなんかは、まだまだやるべきことは一杯ありますね。

ただ、一歩進めたことは、よくやったと誇れます。
今までは、何も状況を変える有効な手立てもツールもなかったわけですから。

今は、この「なんちょうなんなん」をいかに拡げるか?
いかに、見てもらうか?
いかに、すぐそばにあるものとして捉えてもらうか?

ここを考えて実行していく必要があると強く思います。


しかし、社会課題は、難聴の問題以外にも山積みです。

それは、この社会が大きな歪みを作っているからだと思います。
何かに偏ったからだと思います。

そのツケが弱いところに回ってきている状況なんでしょう。
自然な形に戻さなければいけないと思います。

実は、この九州ADCアワードは、
1,000以上の作品からオンライン審査で72作品に絞られました。
その中から16の部門賞が決められました。
そして、その中からトップ9が選ばれました。

この9つに12人の審査員が1票ずつ投じました。
結果は、何と、3作品が3票で並びました。
なんちょうなんなんもです。

そして、この3作品に入れなかった3人が、次作として1票を投じたわけですが、
結果、5対4で、惜しくも逆風っち何ですか?に負けました。
実質2位ですね。

この3つとも、社会課題が絡んだものですね。

その中の、もう一つの作品は、高校生が立ち上げたプロジェクト
みんなの冷蔵庫です。

これは、元々、ドイツで生まれたソーシャルプロジェクトで、公共空間に冷蔵庫を置いてみんなでシェアし、廃棄される食材や余った物品などを置いて、それを必要としている人たちが持ち帰れる、善意のマッチングサービスです。

その高校生のお姉さんがシングルマザーで、すごく一生懸命頑張っているのに、生活が非常に苦しい状況で、悔しくて、そこを何とかしたいとプロジェクトを立ち上げたようです。

その子が言っていました。

「理想は、こんな冷蔵庫を作ろうなんて高校生が考えないでいい社会になることです。
この冷蔵庫がなくなって、ただの憩いの場になっていくことが理想です」

これは心打たれました。

やはり社会は歪んでいます。
高校生にこんな思いをさせるまでにですね。

政治のせいにしてはいけません。
選んだのは大人たちです。

僕もこの高校生と同じような思いはあります。

「なんちょうなんなん」なんて見なくても、
「聞こえないんですよ。だからこうやってほしいんです。」
こう言えば、誰もが
「そうなんですね。わかりました。一緒に一番いい方法を考えましょう」

となる社会。
これが理想です。

別に難聴の説明をしなくても、言えば聞いてくれる。
難聴に限らず、障害や難病は五万とあります。
それらを全部知ることは不可能です。

だから、難聴についての正しい理解を知らなくても、説明されたら、寄り添って聞いて、できる限りの最善策を一緒に考えることが普通になればいいわけです。

これができないほど、今の社会は歪んでしまったということですね。
偏ってしまったということですね。

元に戻したいです。

「和を以て貴しと為す」の精神を持った日本に戻したいです。
相手を尊重し、しっかりと議論を深め合える関係性に戻したいです。

そのためにも、「なんちょうなんなん」を、もっと有効に使うべく、いろいろと考えていきたいです。

今の社会を見ると、最初の一歩として知ってもらうことだなと思います。

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