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プラス1は、接遇スキルではなく、聞こえのフォロー

みなさん、こんにちは!
岩尾です。

今日は、プラス1コミュニケーションについてお話しします。

プラス1コミュニケーションとは、
聞こえなくても、読み取りやすくなコミュニケーション方法で、
聞こえない人はもとより、聞こえる人も含め、誰もが会話がしやすくなるコミュニケーション方法です。

基本となるものは以下の9つです。

9つのプラス1コミュニケーション

見ればわかります通り・・・
非常に簡単ですよね。

なので、これを企業に紹介してもあまり反応がよくありません(笑)

マナー講座と比べられてしまうのもあるかもしれませんし、この9つを見れば、「ああ、それならできる」と思われてしまうのもある気がします。

確かに、「誰でも簡単にやりやすい」というのが、プラス1コミュニケーションのウリでもあります。

難しいものは、結局現場で使えませんから。

ただ、社員研修というカテゴリーで見ると、「こんな簡単なことはやるまでもない」と思われてしまうことが多々あるような気がします。

もちろん、面と向かってハッキリ言う人はいませんが、僕も何度か企業さんの反応を直接見る機会がありましたが、「それぐらい既にできている」と言っている印象を受けました。

確かに、マナー研修、接遇研修として見られると、その通りでしょう。
おまけに僕はマナー研修はできません。

ですが、プラス1コミュニケーションは、接遇や販売スキルとは違います。

聞こえのフォローなのです。

やることは簡単です。
なんせ、あの9つがベースです。
もちろん、細かくどうするかというのはありますが、難しいスキルを要するものはありません。
誰にでも簡単にできます。

じゃあ、ほとんどの対人サービスで、聞こえのフォローができているのでしょうか?

答えは、NOです!

今年の7月から9月にかけて、「買い物などにおける会話の困りごとアンケート」というものを実施しました。

この結果によると、
50代以下の74%が言葉聞き取りにくくて困ったことがあると答えています。

これは、難聴者への調査ではなく、難聴者もいるでしょうが、聞こえる人も含めた調査です。

さらに、困った場所では、50代以下の80%がスーパーやコンビニと答えています。
第2位は飲食店でした。

利用頻度が高い場所で、困っていると感じることが多いことがわかります。

と、なると、スーパーやコンビニでの会話は、それほど長いものはありません。
プラス1コミュニケーションとの相性も非常にいいです。
こういった会社さんが、プラス1コミュニケーションができるようになれば、お客さまの満足度も上がるはずです。

ちなみに、言葉が聞き取りにくくて困ったことがある人の内、50代以下の18%がその店を利用するのをやめたと答えています。


では、あの9つのプラス1コミュニケーションの図を見ただけで、聞こえのフォローができるようになるでしょうか?

ほとんどの人がNOでしょう。

もちろん中にはセンスのいい方が稀にいますが、ほとんどがあれを見ただけではできないと思います。

なぜかと言いますと、
聞こえないということはどういうことなのかを理解されてないからです。

ここがわかってないと、適切なタイミングで適切な方法で聞こえのフォローができないんです。

ここは、本当にわかりづらいのです。
僕は娘が難聴で、今小学校3年生です。
当然、娘がこの歳で情報保障のお願いをバリバリはできません。
なので、親が今は主体となってお願いしていますが、非常に協力的な人でも、お願いしたフォローでさえやってなかったりするのです。

全然手間もかからないことです。
なぜやらないのか、こちらとしては不思議でしょうがないですが、無意識に軽くみてしまうのだと思います。

聞こえない世界は、聞こえる人には体験できません。
耳栓をするだけなんてものではありません。
もっと聞こえにくいのです。
だから、よっぽど想像力をつかわないとなかなかわからないし、軽い扱いになってしまうんです。

聞こえのフォローをお願いしますと言ってもやらないことが起こるわけなので、あの9つのプラス1コミュニケーションを読んだだけでバリバリに聞こえのフォローができるかというと、ほとんどできる人はいないと思います。

ではどうすればいいか?

まずは2時間半の講座で、しっかりと、聞こえないということはどういうことなのか?聞こえない世界をしっかりと理解することです。
そして、場面ごとに、どのようにプラス1を使っていけばいいかを学ぶことです。

聞こえのフォローをお願いしてもやってもらえなかったと先に言いましたが、この方は講座を受けていませんでした。
ですので、協力的ではあっても、ついつい無意識的に「そこまでしなくていいいか」や、「これで大丈夫だろう」と誤った判断をしてしまったのでしょう。

もちろん、講座を受けたら100%できるというわけでもありませんが、講座で、しっかりと難聴について、聞こえないことについて理解する必要があります。

そして、次の段階で必要なことは、プラス1の情報共有です。

プラス1コミュニケーションは非常にシンプルで使いやすいがゆえに、使いこなすには、いろんなアイディアが必要となります。
そのアイディアを共有して、引き出しをどんどん増やしていくのです。

現在、このプラス1コミュニケーションを仕事の場で使えるようにする「プラス1サポーター講座」を開講しています。
この講座で基本的なベースを身に付けることができます。

そして、講座を受けた後は、毎週1回のメールマガジンで情報共有します。
これには、ご自身の経験を匿名で投稿できるサイトもありますので、そういった情報をみんなで共有しながら、いろんな現場でプラス1が普通に使えるようになることを目指しています。


ちなみに、日本では10人に1人が難聴です。
65歳以上では4人に1人。
75歳以上では3人に1人です。
あなたのお客さまにも実は結構いるかもしれません。

そして、聞こえない人たちは、買い物や対人サービスを利用するとき、非常に気を遣います。
聞こえに配慮をしてくれるだろうか?

それが億劫になって外出が少なるケースもあります。

それだけに、聞こえのフォローがしっかりできているお店であれば、難聴者の間で口コミがどんどん広がります。

ここは、プラス1サポーター講座を受けた方がいるお店など、聞こえに優しい店マップなどを作って、周知を拡げていこうとも考えています。

意外に多い難聴者が利用してくれるようになれば、単純に事業発展にもつながりますし、今やサステナビリティな企業は、生活者からも大きな支持を得られます。

求職者やお客様、株主にも選ばれる企業になるはずです。


聞こえない人は古くから一定数いるのに、なぜかフォローがなかなかなされていないのが難聴者へのフォローです。
今やCSR活動などは多くの企業が力を入れているところだと思いますが、難聴者のフォローは、本当になかなかなされてないのです。

ですので、ぜひ、この分野のフォローも考えていただければ有難いです。


実は、11月、12月は、企業向け特別無料体験講座を行っています。

11月17日(金) 9:30~12:00
11月18日(土) 9:30~12:00

12月8日(金) 9:30~12:00
12月9日(土) 9:30~12:00

試しにどんなものか受けていただき、良かったら、自社内で研修として取り入れていただければということでの企画です。

よろしければ、ぜひこの機会にお申し込みください。


言葉のかけはしの記事、活動に共感いただきましたら、ぜひ、サポートをお願いします! いただいたサポートは、難聴の啓発活動に使わせていただきます。 難聴の子どもたち、難聴者と企業双方の発展、そして聞こえの共生社会の実現のため、どうぞよろしくお願いします!