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1月26日 僕のいきかたと慈円の夜闇

 4歳の息子に「こどもちゃれんじ」体験版が送られてきた。一緒にやった。

「いきかたをかんがえよう」はベネッセに突きつけられた僕らの問二

 いきかたは4通りあるらしい。スタートからゴールまで、中には回り道も含まれる。

☆   ☆   ☆

 生き方に悩む歌を、『千載和歌集』雑部に取材した。

月かげの入りぬる跡に思ふかなまよはむ闇の行末の空(一〇二一 法印慈円)

 400年続いた貴族の世が終わっていく時代を生きた、慈円の歌だ。僕らに当てはめてみれば、民主主義とか資本主義が崩壊し、クーデターを起こした軍部に国政を牛耳られ始めたような事態だろうか。

 慈円は出家したけれど、為政者の家の人であり、為政者の目線を失わない人だ。彼が迷ったのは、彼個人の生き方ではなくて、日本という国の行き方だったのかもしれない。

道を照らし出すべき真如の月が
沈んでしまったその後に残る微かな光に
思うことだ
選ぶ道を迷うはずの、完全なる闇の中で
迎えるだろうその日の空を



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