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2021年1月13日

 長男が7歳になった。7歳になった感慨は特になさそうだ。

 親の側にはそれなりにある。1年間、6歳だと思ってきた生き物が今日からは7歳の生き物になったのだ。

 7歳といえば小学一年生の年齢だ。もちろんすでに小一だ。でもこれまでは6歳なのに小一をやっている生き物だった。ようやく中身が立場に追いついた。

 朝、重いランドセルを背負って長い階段を登っていく7歳の生き物を見送った。トントンとはいかないが、トン、トン、くらいのリズムでは登れるようになった。ゆっくりだがそれなりに成長しているらしい。

 7歳の抱負を聞いた。大きくなったら大金持ちになる、と言っていた。相変わらずトンチンカンだ。今年の話をして欲しい。

 先ほどまで、ママの横で寝る権利を弟と取り合って喧嘩していた。
 7歳の生き物は、期待するほどでは無いのかもしれない。

桜花 散り交ひ曇れ 老らくの 来むといふなる 道まがふがに
               (『古今和歌集』三四九 在原業平)
桜花 視界を乱せ 老いとかいう 奴が来る道 間違えるように

 これはおっさん(40歳)の誕生祝いに呼ばれた在原業平が詠んだ歌だ。だが自分の老いを遠ざけたい現代のおっさんの歌にしてしまっても違和感は無い。

 僕はまだまだ息子と元気に遊ばねばならぬ。もちろん娘とも。

 老いよ、もう少し桜の向こうでじっとしていろ。

 

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