《2021年1月7日》

 冬休みが終わります。 

 実家から遠いところに住み、子どもが生まれ、父と母に会う機会が減りました。年末年始は両親に会う貴重な時間になるはずでした。

 巣ごもりで年は暮れ、巣ごもり続けて新しい年を始めました。

 多くの本を買いました。そのうちのいくつかは読みました。
 思えば去年も買っていたし、一昨年も買っています。年末年始は僕にとって、本が欲しくなり、また本が読める時間であるようです。

 変わることは、ゆっくりにせよ急にせよ、いつか変わります。一方で変わらないことは割と変わらない。自分の軸はどこにあるのか。今年の冬は、そういうことを確かめる時間であったようにも思います。

年毎に 変はらぬものは 春霞 たつたの山の 景色なりけり
              (『金葉和歌集』 10  藤原顕輔朝臣)
昔から 変わらないのは 春霞 それが立つ山 竜田の景色

 藤原顕輔。白河院の近臣として、摂関政治が終焉し、武家が台頭する激動の時代を見つめ続けていた人です。その顕輔にとって変わらない春の景色は、万葉集以来霞と共に詠まれてきた竜田山でした。
 激動の時代を生きた彼にとって「変わる春」とは何だったのでしょうか。僕たちの今と比べながら、今夜は1000年前に彼が失った春に思いを馳せます。



 










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