【第113席】あかね噺感想

 

人情噺は文字通り人間ドラマを語る”感動”の芸

 今週のあかね噺、噺はやっと本筋というところにも関わらず、既にうるっときてしまいました。

 先に公式Xのポストの画像を見たので、いくらなんでも全生師匠に会場で水かけられるとかそういう妨害されたの!? と誤解してしまったんですよね。いざ読んでちょっと安心はしたものの、このコマのいきさつ自体がもう悲しい。まずここで一発持っていかれます。
 第59席のまいける兄さんの「アニキのおかげで人に成れた」というセリフ。挨拶とか色々教わってお世話になった割に、応援には行かなかった。そこは確かに信頼もあったからとは思いますが、おーーーーい?って感じです。ただその日を境に、黒髪にする、つまり自分を捨てた。それが人に成ることの集大成なんだとしたら、志ん太のアニキすごいことしてくれたなぁと思う訳です。これはさすがに飛躍が大きいと思うので無視して頂いて……。
 

 そして最後から2コマ目、志ん太兄さんが笑っている描写って今までありましたっけ!? もうこれで涙腺にダメ押しを食らいました。

 冒頭から、まるで千年血戦編のコミックス表紙のような人の影のつけかたに変わり、白目をむいていた観客の目も戻っていて、全生師匠が入る余地もなくすらすらと進む噺。とにかく今回、まいける兄さんの軽さは『本来の姿』ではないってことがテーマですよね。ん、あれ、全生師匠が同じタイプとか言うてたの、思いっきり外してるんじゃ……? ほらほらきょとんとした顔しちゃって。 

高座に絶対はない
傾向・相性・確率・戦略
外野がとやかく言ったって
その選択を正解にできるかは自分次第さ

第59席

 以下気になったこと二点。

 一つ。『時に自分のことすら省みず』の弟弟子たちを気に掛けるコマが1コマずつ。享二兄さんが拭いているお墓は、一体どなたのお墓なんでしょう? まいける兄さんとも関係がある人だから合流しているんですよね。三禄師匠の享一呼びの理由のヒントになるのかしら、それともたまたまか。

 二つ。巻末の次号予告。
 いくら新連載に合わせたとしても、四天王バスターあかね!!はあかんて
 自分のところの師匠も含まれとるし、お世話になった泰全師匠も含まれてるって! 撲滅したりしたらあかん!!!
(圧倒する的意味もあるっぽいっちゃあるっぽい?)

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