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詩 恋と砂糖と苦いもの


ーーー恋が始まるときっていつだと思う?




君のことがすきで、
もっと知りたいと思う。
ずっと笑ったままで、
幸せでいてほしい。
砂糖よりも甘い あい で君を埋もれさせたい。


なのに、一雫の黒くて苦いものが、
ぽたりと落ちて、
じわじわと広がって、
真っ白なあいは少しずつ染まっていく。


一度目は、あのひとが、
あのひとの同級生と楽しそうに話していたときでした。
二度目は、あいつと、
新学期になってクラスが別れてしまうかもしれないと気付いたときでした。
そして三度目は、君が、
友達の頭をなでたときなのです。


ひとたび溶けた あい は、
元の形には戻れない。
ほろりと崩れて、
きらきらと舞い、
積もり、
君を優しく包み込んでいたかつての あい は、
もう、純白ではなくなってしまった。
もう、きれいなものではなくなってしまった。


でも今はそれすらも愛おしい。
甘さも、苦さも、美しさも、醜さも、
他の誰のものでもない、
全部、
君がくれた、
僕だけのものだ。




ーーー僕はね、恋が始まるっていうのはね、
砂糖よりも甘くて優しい気持ちに、
一粒の どくせんよく が混じったときだと思うよ。
ゆっくりと溶け出すそれを握りしめるときに、
僕は、
あぁ、
君に恋してるんだなぁって思うんだ。





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