見出し画像

なぜウクライナでの戦争が長引くのか

ロシアのウクライナ侵略に伴う戦争が長引いている。世界中が、いつまで続けるのか、何とかならないか、という思いに駆られている。

軍事的な観点からは、戦争が長引いている理由は明白だ。最も戒められている「戦力の逐次投入」の状態になっている為だ。このことは、軍関係者なら誰でも分かるし、現状がそうなっている事は分かり切った事だ。

米国や欧州の国々が”〇〇という武器を△個、イスラエル側に供与した”といった内容のニュースが聞こえてくるが、そもそも戦争を早期に終結させるためには絶対的に量が足りていない。

「集中と機動」と呼ばれる戦いの原則がある。ここでいう「集中」とは、質と量の両方を指す。現状のロシアとウクライナの戦争では、西側からの武器の供与は質を向上させるが、明らかに量は足りない。

ここまで露骨に支援が低調だと、意図的ではないか、とさえ関係者は勘繰ってしまう。私自身も、本当におかしいと思う。

このままでは、戦争が更に長期化し、ロシアとウクライナが双方ともに疲弊していく。誰が、この状況で得をするのか。それを考えた方が自然な感じさえする。

では、一回、考えてみることにしよう。ロシアとウクライナが双方に疲弊する事で、どのようなメリットがあるのか。

今、日本人はウクライナを応援する風潮にある。人道的には間違いなく正しい。しかし、過去のウクライナは日本を含む西側諸国の国益にとってマイナスの要因を持っていた。

過去、北朝鮮の核・ミサイル技術の開発にロシアと共に関与していた疑いがあるし*、2021年には中国企業がウクライナの航空エンジン大手企業を買収しようとしていた。つまり、旧ソ連としてのウクライナの優れた技術が、日本や西側諸国の国益に反する形で流出する事態となっていた**。

*北朝鮮のミサイル開発にスカウトされた技術者、ロシアからもウクライナからも(The Asahi Shimbun Globe+ 2022.3.18)
** 経済安全保障の確保に向けて2022 技術・データ・製品等の流出防止(公安調査庁)

現在、ロシアは北朝鮮から弾薬の支援を受ける有様。現状の戦争状態が続けば続くほど、ロシア、ウクライナ双方に共倒れとなる。

その結果として、まずウクライナは西側諸国やNATOとの関係を深めて行き、米国等の国益に反する活動を抑制していく。ロシアは今回の戦争によって戦力が削がれ、結果として米国と中国との間での戦争が発生してしまった際の後ろ盾を、中国が失うことにつながる。これにより、米中戦争の発生を遅らせるか、防止できるかもしれない。

この考え方が正しいか否かを検証する術はない。なぜなら、あまりにも話が壮大で事実を確認できない点が多すぎるからだ。

しかし、「戦力の逐次投入」が発生している現状において、このような事を考えずには居られない。でなければ、頭の整理がつかない。

何のためにロシア・ウクライナ双方の多くの民間人、軍人が命を落としていくのか。どうすれば、こんな悲惨な戦争を起こさずに済むのか。その事について、日々、考えを巡らせています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?