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嗚呼甘美な響き、深夜のラーメン

ラーメンが好きだ。

特に深夜に食べるラーメンが好きだ。

深夜に食べるラーメンはなんであんなに美味いんだろうか。

特に冬の深夜、
冷えた身体で友達と食べるラーメンは絶品で
身体の芯まで温めてくれた。

今身体に悪いことをしていますー!
という背徳感も相まってより美味しく思える。

背徳感というのは時に最高のスパイスだ。

大学入学時の体重から、卒業時には+6kgくらい
就職時から今にかけて+6kg
いくらなんでも肥えすぎている。

歯に衣着せぬ母方の婆ちゃんは、僕を見ると
よう肥えたねえ
と会うたびに言ったが、最近では言うこともなくなった。

しかし肥えれば肥えるほどスパイスは味が洗練されていく

まさか太れば太るほどラーメンは美味しくなるのか…?

このまま太り続ければ、
新しいラーメンの世界が見えるんじゃないか…?

と、妻に真剣に問いかけてみると、
憐れみの目で見られただけだった。


そんな妻は、食べても太らないようで、
むしろ痩せていく。

身長が僕と数cmしか変わらないのに(僕は170cmくらい)
体重は20kgくらい低い。(僕は今68kgくらい)

僕に痩せろと言う割に、
僕に食べさせるのは好きなようで、
定期的に悪魔の囁きをしてくる。

今はこのご時世なので、
深夜にラーメンを食べに行くことは無いので安心していたが
文明の進歩というのは目覚ましく
カップラーメンという物がある。

昨晩遂にカップラーメンを食べてしまった。

ごめんよ自分の身体…
食べ終わったあとお腹をさすりながらそう思っていると

まだお腹空いてるの?
と見当違いのことを妻に言われた。

僕のことをどう思っているのかよくわかる一言だ。


きっと背徳感というスパイスは無性に食べたくさせる魔性の物だと思う。
(僕はマックのポテトも同じ類だと睨んでいる)

まだ家にはカップラーメンのストックがある。

きっと近いうちにまた僕は深夜にラーメンを食べるだろう。

でもその時はまた妻に声をかけよう。

背徳感と寄り添いながら
罪悪感は分け合った方が素直に美味しいと思える。

嗚呼なんという甘美な響き、深夜のラーメン。


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