会話が上手い人、下手な人

世の中、会話が上手い人もいれば下手な人もいます。
この違いって、究極的に何が原因なんだろう?って思ったこと、ありませんか?

これの答えを出すと「会話をコントロール出来ているかどうか」という事になるんだけど、じゃあそれってどういう事なの?っていうのをツラツラと書いていこうと思います。

一口に会話をコントロールすると言っても、めちゃくちゃ考える事多そう…って感じるかもしれません。
が、大きく分類すると、会話ってのは2つのモードしかないんです。言われてみれば確かに、って感じの大分類。
それは、話す側に立つか聞く側に立つか、これだけです。

そんなん言われなくてもわかるわいって思うかもしれないけど、本当にこれだけなのね。
で、大事なのはそれぞれの立場に立った時にどんな事を意識しているかという事に収束していくわけ。
というわけで、それぞれの立場に立った時、考えておくと良いポイントを挙げていこう。

まず、話す側に立った時。

このモードの場合、多くの人は「何を話せばいいの…」ってなると思うんだけど、これは話のきっかけがない状態で話す側に立つとこうなってしまうのね。
でも問題点は見えてるんだから、話題を1つ捻り出せば簡単に話が出来るって事でもあるよね。
だから、まずやらなきゃいけないのは話題の選定。
話題なんて本当に何でもいいんです。つまらない話になるかどうかは話題で決まるものではなく、その後の話によって決まるものなので、ここで悩むだけ時間の無駄だし、沈黙が長くなればなるほどこの後の展開が盛り上がらなくなるのは明白なので、話題なんて天気でもニュースでも何でもいいからとりあえず放り込む。これが正着なんです。

では、無事話題を放り込んだら何を話せばいいのか?
これはもっと簡単で、思った事そのまま言えばいいの。
最低限、相手への攻撃にならない言葉、内容を選んで好きなように話せばいい…のだけど、ここで忘れてはいけないのが、相手の呼吸を汲んであげる事。
一方的にがーっとまくし立てたり、のんびりだらだらと話し続けたり…っていうのは、あくまで「話す側の都合、希望」でしかなくて、聞く側にとってはストレスになる場合がほとんど。
だからこそ相手が心地よく…というか、聴きやすい話し方が出来ているか?というのがとても重要なんだよね。

では、聴きやすい話し方ってどういう話し方?というと、究極的な答えを言えば、そんなの人によってまちまちだから人の数だけ正解がある、が回答になる。
けど、あくまで一般的な間の計り方っていうのもあって、それは相手が頷いたタイミングだったり、相手が瞬きをしたタイミングだったり、とにかくリズムを読み取る事がすっげー重要なわけ。
生き物は生きてる限り呼吸や瞬き、もっと言えば鼓動っていうリズムを刻んでる。
これはどんなに無反応に見える人でも、大なり小なりリズムの中で生きてるって事の証明なのね。
要はこの体内リズムを探ってそこに合わせるようにペース配分してあげると、「この人の話は聴きやすいな」っていう感想になってくるのね。
講演会とかYouTubeとか、とにかく一方的に話を聞くような立場に立った時、聞き手を吸い込むように話す人がいる。これは、このリズムを一般向けに取っているから、大多数の人が聴きやすいと感じるんだよね。
だから、一万人とか集めて感想を聞いたら、絶対に何人かは聴きにくかった入り込めなかった、という人がいるはずなんだよ。
それは体内リズムが普通とちょっと違うからって理由に着地する。
ただ、体内リズムが一般と異なるのは悪い事ではなくただの個性なので「自分はおかしいんだ」みたいな捉え方は絶対にしないで欲しい。

…で、だ。
リズムがあるのは分かったが、リズムの取り方がわからんという人もいると思う。
なので、ここからはそのリズムの取り方、探し方について書いていこう。

会話をするという事は、言葉のキャッチボールをするという事。ドッジボールじゃないぞ、それは口論。
つまり一方的に話すだけでは会話として成立しないって事になる。
でも、いちいち「こうだよね?」「こうじゃん?」と反応を伺っていたら、聞く方も疲れてしまう。
だからこそ、「自由参加の反応時間」を持たせてあげるべきなのね。
この「自由参加の反応時間」というのは、うんうんと頷いたり、ふーんと感心したり、要するに言葉を返す義務はないが、反応してもいいんだよという間の事を指す。
当然自由参加なので、ノーリアクションでも構わない。
最初は反応がないと「これでいいのか…?」と不安になるかもしれないけど、慣れてくると気にならなくなるはずだよ。
この間を意識して話すようにすると、自ずと話し方自体がリズム感を帯びてくるのね。
ちょっと例を挙げてみよう。音声にした時に分かりやすいよう、句読点で表現する。

★突然話が変わってしまうんだけどさ、この間ね、おいしいラーメン屋さん見つけたんだよ。そう、去年出来たばかりの。あの交差点の。出来た当初は結構お客さん入ってたじゃん、でも混んでるのも嫌だし、空いたら行こうと思っててね、ほらー、あるじゃんそういうのって。でもね、行こう行こうと思ってて、結局行く機会がなくてさ、先週とうとう行くことにしたわけ。そしたらさ、客は少ないんだけどね、これがまーーー、美味いんだわ。あっお前行った事ある?どうだった?
そっかー、でも好みの違いもあるからなー、お前のいう事ももっともだよなぁ!

こんな感じ。

ところどころに相槌を入れる間を取ったり、相手に問いかける感じで強制的に相槌を打たせたり、要するにこういう合いの手を取らせる事で、会話のリズムが生まれてくる。
このリズムが人によって異なるのは致し方ないとして、それでもリズム感良く話が出来る人間というのは少なくとも「話し上手」「引き込むような話し方」と評価されるわけ。
さらに、相手にボールを回す時も、自然と「君はどう思う?」みたいな振り方で簡単に回す事が出来る。

話すのが苦手、下手と思ってる人ほど、この「会話のリズム」というのを知らないケースが多い。
どうしたらあんなに流暢に喋れるのか、自分には出来ない。そこで終わってしまう。

もったいないよ。

君の話は君にしかできない。
代わってやれない。
話し方ってのは音楽と同じで、心地よいリズムを刻んであげるだけでいいのよ。
難しく考える必要なんてない。話してる人が気持ちよく話せて、聞いている人が気持ちよく聞ける、そういうリズムを作れるようになればいいんだよ。

でね。話し方が分かってくると、自ずと相手の話し方もコントロールできるようになってくる。
不思議なもんで、話しやすい人って、ほぼ必ず話を聞くのも上手いんだ。
なぜかって、聞き手側に立っていても会話をコントロールする影響力を持っているから。
ばーーーっと捲し立てられても、「そんなに焦らなくてもいいよ」とか「あ、一つ質問なんだけどさ」とか、聞き手側から話し手をコントロールしちゃうんだよ。
中には聞き上手なんてうんうん頷いてればいいんだろって思う人もいるかもしれない。でもそれは違うよ。
うんうん言ってるだけの人は聞き上手ではなく聞き流してるだけ。これは会話じゃなくて独り言なんだよ。会話っぽい独り言。

ここまでざらっと書いてきたけど、どうだろう?
会話術っていう部分で何か得られるものはあっただろうか。
あったならこれを書いた甲斐があるというものだし、せっかくなのでどうか、これからの人生で役立てていただきたい、そんな感じです。

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