計画的?楽観的?強みと弱点

世の中、楽観的だよねって人はたくさんいるよね。君の友人の中にも一人や二人はいるんじゃなかろうか。もしかしたら君もそうかもしれない。

さて、楽観的って事については、いい点と悪い面があるんだけども、そこについてしっかり考えた事がある人はどれくらいいるだろうか。
あまりにも当たり前に転がっている話だから、真剣に考えた事がある…なーんて変わり者は少ないのかもしれない。

はい、わたしがその変わり者です。

わたしが今の今まで生きてきて、ロクな人生を歩んでいないにも関わらず、どうにかこうにかやってこられてる理由に「性格が楽観的だから」というものがあります。
つまり、わたしは楽観的な人間の肯定派の人間で、これからそういう話をするよ!と思われたなら、一度落ち着いて深呼吸して欲しい。

結論から言うと、わたしは楽観的な人間に対して、否定派に所属する人間なんです。
本人は楽観的なのに、それを否定するってのは矛盾してねぇかい?と思った方、あなたは正しい。
これを踏まえて続きを読んでくれればと思います。

さて、楽観的な人間の良い部分と悪い部分、これを整理して考えてみましょう。

まず良い部分。
それは何が起きても「何とかなるさ」の精神で打たれ強いという事。
不足の事態に陥っても、自分のポテンシャルというか機転というか、そういうものに絶対的な自信があって、根拠の有無に関わらず飄々としています。
この手のタイプは困り事が起こっても慌てず騒がずで、自分はどうしたらいいかなー?と冷静に立ち回る事が出来ます。
トラブルに慣れていて、トラブルに強い。
これが楽観的な人間の強みです。

続いて悪い部分。
何事にも対処する力がある(かどうかはその時にならないと分からないが)ため、計画性に乏しいんです。
出たとこ勝負でオールオッケーという気分屋が多いので、特にこのタイプのリーダーに付いていく場合、周りの人間の心労は計り知れません。
よく言えば孤高の狼タイプ、悪く言えば自分勝手。そんな感じなんですね。

で。

悪い部分があるならそこだけ矯正して、いいとこ取りすればいいじゃない?
って、思いませんか?

わたしは二十歳そこそこの時、冷静に自分を見つめ直して、その特性と対処法について考えました。
そして、楽観的な自分の弱点が無計画な事ならば、必要最低限の計画性を持てばいい、という結論に至ったわけです。

根本的な性格を矯正する、なんてのは幼児でもない限り不可能です。というか幼児だったとしても難しい。
であれば、弱点を補強する事で性格を全体的なプラス補正に持っていこうじゃないか!という考えです。

そこで、わたしはある一定の基準を設ける事にしました。
それは、「2つのif」という基準です。

物事を進めるにあたって、自分が決められない要素というのは数多に存在しますよね。
相手のイエスノーを受けなければいけないとか、結果を待たなければ次の行動が決まらない…ってな事とか。
これに対して、「こうきたらこうする」「ああなったらああする」なんて細かくやっていたらキリがありません。そもそも、パターンが四つも五つもある場合だってあるでしょう。
なので、わたしは「4パターン以降はその場に任せる」という基準を設けているのです。

例えば、二元選択肢(いわゆるYESorNO)が2つあった場合、行き着く先は4パターンしかありません。
1.YES、YES
2.YES、NO
3.NO、YES
4.NO、NO
これだけです。
わたしはこれを「2つのif」と呼称し、行動を決める指針にしてるんです。

もし最初の回答がYESなら、次の2択まで行動を決める。
みたいな感じで、二手先までの考えで思考を止めるんです。
なぜ二手先かというと、三手より奥に行くと考える量が2倍になり、脳内でパターン管理しようとした場合、必ず思考を整理する時間が発生します。これでは持ち味の即決性が失われてしまう。
逆に一手先までしか考えていない場合、一つ結論が出た時点で即座に次の選択肢について考えなくてはならず、いきなり「行き当たりばったり」になってしまい、基本的に後手に回る事になってしまいます。
このやり方だと、一手進んだら次の二手を考えるだけで、ある程度の計画性を担保出来るんです。
ただし、選択も二元論ではなく多選択となる場合も往々にして発生しますから、それに対しても5つ以上のルートになる場合は、考えるだけ脳内リソースの無駄なので考えない、というわけです。

これだと多選択肢にぶち当たった時にあっという間に対応出来なくなるじゃないか!と思った方は正常で、全くその通りです。
なので、こういう場合はあえて選択肢を絞る事で、出来るだけ二元論に近付ける、という努力をプラスするのです。

例えば、友人と食事に行ったとします。
「何を食べようか?」と質問した場合、回答は何パターンも出来てしまいます。
「ラーメンとカレー、どっちが好き?」と質問した場合、回答を絞る事が出来ます。
もちろん、「いやいや寿司がいい」などと言われるかもしれません。ですが、選択肢を絞ったおかげで「この人はラーメンかカレーがいいのかな、それならカレーかな」というような感じで、一定の誘導が出来るわけです。
つまり、自分が用意している2つの答え(ここではラーメンとカレー)の当選率をグッと引き上げる事が出来る。
その他を選ばれてしまった場合は仕方なく行き当たりばったりになりますが、そうならない可能性が高くなる…って事なんです。

これはあくまで一例ですが、こういった些細な工夫を重ねる事で、楽観的な人間に計画性が備わり、弱点が克服されていくわけです。
さらに、元から小回りの効く性格をしてる事も相まって、ちょっとやそっとのトラブルには動じませんし、むしろ大方のトラブルは予測の範囲内…なんて事も出来たりするわけです。

こうなってくると、マルチタスクにも対応出来る脳みそに育ってくるので、わたしはこれを活用させてもらっています。
マルチタスクに言及すると、流石に完全同時に出来るタスクなんてのはコピーロボットでもないと不可能ですから、優先順位を付ける…なんて表現されたりしますが、この思考回路をしていると、優先順位のパターン付けが出来るようになってきます。
こうなったら優先順位が入れ替わる、ああなったら変更なし、みたいな条件分けですね。
この条件分けも紙に書けば分かりやすくなるのですが、マルチタスクの強みはそれを脳内で完結出来る事です。

ここまで書くと「お前実は計画的な奴じゃねぇか!」って思うかもしれませんが、先に述べた通り、わたしは元々楽観的なんです。
これはあくまで「楽観的な奴が計画性を付けようと努力した」だけであり、元々計画的な奴には遠く及ばないレベルなんです。
ですが、生来及ばない部分があるなら生来優れている部分もあるわけで、それが急場を凌ぐ対応力なわけです。

物事を始める前は計画的な人間が強みを発揮し、物事が走り始めたら楽観的な人間の方が強みを発揮する、ってだけの話。

で、どちらかに振り切っている人間が並んだ時、どっちを信頼するか?
という話になれば、わたし個人としては計画的なだけの人間の方を信頼するんですよ。
何せわたしが苦手な事を出来る人なんですから、当然です。
だからこそわたしは楽観的なだけの人間を嫌うんです。同族嫌悪に近いのかも。
加えて言えば、計画的なタイプは自分の弱点を自覚してる人が多いです。当然です、計画段階でリスクを挙げられるだけ挙げるようなタイプですから、自分がどんな窮地に陥るとダメになるか、事前に理解してるパターンが多いんです。
逆に楽観的な人間は計画段階で何も予想してませんから、自分の弱点について、しっかり考えた事があるタイプは少数派なんです。

ここで言いたい事は、楽観的な奴の弱点はある程度克服できるよって事なんですが、これはあくまで「楽観的な奴が自分の弱点とどう向き合うか」という話なので、計画的な人の参考にはならないかもしれません。
が、タイプの違う人間の「強みの活かし方と弱点の克服方法」という観点で見ていただければ、計画性のあるタイプの人がどのように対応力を補強すればいいのか?というヒントくらいにはなるんじゃないかなぁ…とも思ってます。
計画性に長けたタイプの自己成長の方法は、計画性に長けた奴にしか考えられないと思いますので…。

と、本日の考え事はこのあたりで。

【追記】
だーっと書いた後で「いや待て。これって楽観的というか楽天的ってのと混同してる気がする」と思ったんですが、もうここまで書いたら修正も不可能じゃんって思ったのであえてこのままにしておきます。
補足説明すると…
楽天的…どうにでもなるからヘーキヘーキ
楽観的…ある程度の準備はしてるから大丈夫
くらいの差があると思ってくれればいいのかなって。

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