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昨シーズン振り返り サガン鳥栖編

今回はサガン鳥栖編です。

鳥栖は2012年のJ1昇格から今年で13シーズン目に入りました。
実を言うと現J1リーグで降格経験を持たないクラブは鹿島アントラーズ、横浜Fマリノス、そしてこのサガン鳥栖のみになります(あと今年から町田ゼルビアが一年目)。
今シーズンを乗りきればついにJ2在籍期間を超えることになり、また新たな歴史を築きあげることになるサガン鳥栖、その昨シーズンを振り返ってみましょう。


昨シーズン振り返り


D・N・A

まず近年の鳥栖の流れを押さえる際に重要なトピックが一つあります。
それは2021年オフに起きた大規模移籍です。

FootballLABを参考に独自にデータを加工して作成

これは、それぞれの選手がシーズンをまたいでどれだけリーグ戦の出場時間を増減させたかを表にしたものです。
(※基本的に増減が500分以上の選手のみを抜粋)
(※オレンジ色の枠は、シーズン中を含めたその年の新加入選手)
(※紫色の枠は、前シーズン中を含めた退団選手)

左側の表の紫色のメンバーを見ていただければわかる通り、鳥栖は2021年のオフシーズンにJ1リーグでは最大規模のレギュラー選手流出がありました。指揮官も金明輝監督から川井健太監督に代わっているため、ほとんど別のチームになったと言ってもいいほどです。

続いて監督別の成績です。
金明輝監督が三年をかけてチームを完成させましたが、それが大規模移籍によってリセットされることになります。川井監督のサガン鳥栖は果敢に攻めていますが、失点のリスクがなかなか抑えられていないようです。

ザ•ラン

先ほどチームはリセットされたと言いましたが、川井監督はサガン鳥栖のアイデンティティとなっている「走るサッカー」については継続させています。

FootballLABを参考に独自にデータを加工して作成

昨シーズンの一試合平均の移動距離はリーグ2位のマリノスを4km以上も離して堂々の一位です。
その対極にいるアビスパ福岡との差は12kmもあり、一人1kmは多く走っている計算です。試合相手との距離差においても4km以上離していて、とにかく走り勝たなければ気の済まないチームとなっています(移動距離で負けたのは開幕戦の湘南戦のみ)。

川井サガンは動くけど跳ばない


鳥栖の移動距離がなぜ多いのかと言うと、それは戦術にハイプレスを取り入れているからです。
ハイプレスは鳥栖の生命線と言っていい大切な武器であり、金明輝監督から川井監督になってからも質は落ちていません。そうなると成績が伸びない理由は別にあるということになります。

FootballLABを参考に独自にデータを加工して作成

その要因の一つとなっていそうなのが敵陣ポゼッションの質の低下です。
上の表を見ると2021年と2022年を境にしてシュート率が大幅に下がっていることがわかります。
質を下げた要因は、ロングパスと空中戦の使用率が減っていることにつながります。ロングパスの名手エドゥアルド、空中戦に強い酒井宣福山下敬大、裏抜けの得意な林大地小屋松知哉が抜けた影響が大きいようです。


鳥栖は、選手流出の荒波に晒されながらも走ることをやめなかったからこそJ1に留まり続けることが出来ていると思います。
そこからさらに上位を狙うにはそれ以外の武器を取り戻す必要があるでしょう。たとえば優秀なエアバトラーである新加入のマルセロヒアンはその一人となるかもしれません。
今シーズンのサガン鳥栖は「どれだけ跳ぶか」がポイントです。


今回は以上になります。
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※記事内データ引用元サイト紹介

FootballLABさん

Sofascoreさん
https://www.sofascore.com/tournament/football/japan/j1-league/196


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