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エクアドルの先住民キチュアが実践するチャクラシステムの豊かさ

エクアドルに2週間ほど行ってきた。久しぶりの滞在は毎日が濃厚で刺激にあふれていた。

日程の半分はウィニャック組合のメンバーとともに過ごした。

場所はエクアドル北東部のナポ県のテナ、アルチドナ周辺。アマゾン熱帯雨林地域。

先住民キチュアの人々が実践するチャクラ農法について書こうと思う。ぼくら世代はナルトに出てくる「チャクラ」を思い浮かべるが、チャクラ農法と関係はない、気がする。

今までキチュア族の言うチャクラを「チャクラ農法」と今まで訳していた。チャクラシステムの方が適切だが、はじめて目にする人はわかりにくいと思うので、これからもチャクラ農法という言葉は使うかもしれない。

まずキチュア族のほとんどすべての人は土地を持っている。5ヘクタール〜120ヘクタールほど持っている人もいる。コミュニティで共同所有のような形態で保護している熱帯雨林もある。

チャクラシステムでは、木を伐採して単一作物を植えたり、大きな牧場を作らない。昔からある植物や木を中心に、多様な植生が保たれるように維持している。

家を建てるための木材になる硬くて真っ直ぐな木(自分で木を切って自分で建てた家に住んでいる人が多い)、家族が食べるための根菜や果実、薬となる植物、そして最後に収入源となるカカオ、グアユサ(マテ茶のような飲み物)、バナナ。食、住、医は自分たちの土地で支えられるようになっている。

収入源であるグアユサだけ、カカオだけを栽培しようとするときはウィニャック組合がチャクラシステムの意味を伝えてチャクラが維持されるように取り組んでいる。(チャクラシステム以外の農家は加入できない)

自然に生える植物と計画的に植える植物とでチャクラシステムは構成される。植生が豊かなため土地はふかふかで肥沃になり農薬や肥料は一切使用しないし必要がない。

多様な植生のため病気が広がりにくい。

カカオは多様な植物果実とともに育つことで複雑で豊かな味わいになる。(気がする)

チャクラシステムでメンテナンスしているのはだいたい3ヘクタールくらいの世帯が多い。それ以外の土地は熱帯雨林として豊かな土地となり次の世代に引き継がれていく。もちろん、メンテナンスしていない熱帯雨林にも食べるものはたくさんあるのでそこから収穫することもできる。

1haあたりの炭素蓄積量は単一農園よりチャクラシステムの方が多い。

あらためてチャクラシステムの豊かさと洗錬された伝統的なシステムに尊敬の念を抱いた。

チョコレートでみんなを笑顔にできるように頑張ります!