旅をすること
今月、ノルウェーに行く。
名建築を見に、自然を体験しに、以前は何かと理由をつけて、年に数回、海外を訪れていた。
最後に行ったのはコロナが始まる前なので、いつの間にか3年以上経っている。
すっかり旅支度のやり方を忘れてしまい、さっきからクローゼットの奥に追いやられたトラベルボックスを取り出したり、パスポートの期限を確認したりして、準備を急いでいる。
言葉も文化も景色も日本とまったく異なる環境で味わう独特の緊張感や刺激は、旅を好む者なら誰もが体験したことがある感覚だろう。
僕にとっての旅は、日常とは違うスイッチを強制的に作動させる仕掛けでもある。
スイッチは別名、「無敵スイッチ」ともいう。
一度このスイッチが入ると、ろくに話せない言語でも(僕の英語は小学生レベルだ)、お構いなしに現地の人に話しかけ、知らない土地の奥深くに探検しに行ってしまう。
無敵スイッチのおかげで、世界各地でつくられる風土に合わせた建築の工夫や、資材の調達方法、そして、自然と共生する考えなどを次から次に質問してはイメージを膨らませ、新しいアイデアをインプットして帰ってくることができる。
国が違えば考え方も違う。
それでも共通するのは、自分が生まれ、暮らす土地の美しさや厳しさをリスペクトする心だ。
世界中どこへ行っても、みんなが「この自然を次世代へつなぎたい」と願っている。
そんな願いを持つ一人として、久々にノルウェーの大地を踏むことを楽しみにしている。
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