冗長だが具体的な表現>曖昧な表現

最近、ミッションが開発よりから営業よりに変わり、顧客(お客様、他部署の営業、社内のスポンサー)にプレゼンをする機会が増えた。
おのずと、上司からのレビュー機会も増えた。

指摘自体は多くはもっともで、視野も広がるし、勉強にもなるし、有難いことだが、
一部、上司からの指摘にどうも違和感を感じることがある。

それは、
「もっとシンプルに表現した方が良い」
という指摘だ。

多くはその場で文章に見直しが入る。

しかし、その結果にどうも納得がいかない。
なぜなら、指摘を受けて修正した結果がどう見てもシンプルでは無いからだ。
確かに文自体は短くなった。
しかし、単語と共に必要な情報も抜け落ち、
間違ってはいないが何が言いたいのかよく分からない文になっている。
これでは、顧客に説明しても刺さらない。
実際、顧客からのコメントはほぼ「間違ってはいない」。

有益なコメントは頂けないが、「間違ってはいない」という評価は得られるため、なぜか社内では箔がつく。
一方、曖昧な表現に対しては、顧客から具体的な指摘が得られないため、
本当に欲しい顧客からのフィードバックがもらえなくなる。

シンプルな表現は良いこと、これは疑いようもない事実である
しかし、多くの人はシンプルにすることを簡単に考えすぎている。
本当に刺さる単純化は生半可な覚悟ではできない。
ましてや打ち合わせ中のジャストアイデアで閃くようなものではない。
集中してロジカルに考えて考えて考え抜いてようやくたどり着くものだと思う。

文章を短くして曖昧にして具体的なコメントが得られないくらいなら、
少々冗長でも顧客からしっかりとしたフィードバックが得られる方がまだマシではないか?
と思う今日この頃である。

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