『通り雨』

雨はまだ大丈夫だろう
思った矢先に空は泣いた
まばらな群青を
雲が塗り替えた鼠色

今日に意味があるのか
明日の僕はまだ何も
知りはしないだろう

交差点の踏切で
二の足を踏んでる若者も
それぞれの想い抱いて
自分というドラマを作っていく

ぼんやりと目星つけた
光に縋ってたどり着いた
一瞬の安らぎは
ヒューズが飛んで闇の中

全部に意味なんかないと
心のドアに鍵をかけても
時間は過ぎてゆく

赤提灯入り込んだ
柔らかく笑う好好爺も
それぞれに傷作って
自分というドラマを書き上げてく

泣いたのは本気だから
強がっているのは負けてないから
遠回りして迷いながら
自分というドラマを彩ってく

雨はもう大丈夫だろう
傘をたたんでドアを開けた
まばらな鼠色を
太陽が塗り替えた群青色


作詞:高橋冴太朗
お題:扉
構成:A-B-C-A2-B2-C2-C3-C4
コメント:ドアを閉じて開けたラスト4行で全部ひっくり返した詞。こういう展開の曲が出癖みたいになってる。
バラード
2021.9.25

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