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ロービジョンのメンバーもnoteはじめます。

はじめまして kotanori です。

サイボウズに転職して6年目、普段は社内SEをしていて、2020年2月からアクセシビリティチーム (Poca11yチーム) で週2日活動しています。
たまに他のメンバーのnoteに出てくる「ロービジョンの人」が私です!

Poca11y (ポカリ) チームとは...
サイボウズ デザイン&リサーチの中にあるチームの1つで、「アクセシビリティ(A11y)」や「研究開発(PoC)」に関する活動を専門的に行うチームです。
(PoC + A11y = Poca11y = ポカリ)というネーミングです


サイボウズに入社する前は25年ほど、米IT企業でオペレーティングシステムやデバイスドライバなどのサポートやエンジニアリングをしていました。

8年ほど前に病気で視覚が著しく低下し、視覚障害者(ロービジョン)になりました。
このnoteでは、中途で視覚障害になった私が、今までとは違うことに取り組む様子をお伝えしたいと思っています。

私の見え方をかんたんに説明します

左目
視野の右上と左下が欠けていて、見えている部分は歪んでいるので、文字の認識はできません。
右目
視力はいい時で0.05(徐々に低下していく/毎月注射治療継続中)、視野が全体的に狭く、視界の全体に見えない部分が点在しています。

例えるなら...
・視力矯正のいらない人
 フルサイズのデジタルカメラ
 フルハイビジョンのテレビ
・わたし
 レンズに水滴のついたロシア製トイカメラ
 ドット欠けのあるVGAディスプレイ
といった感じで、解像度の低さ、ぼやけ・白飛び・ドット欠け・反応速度の低さなど、なかなか的を射てるんじゃないかと自負してます。

今やっていること

週に3日はSE部門で主に営業さんからの技術的な質問対応、週に2日はアクセシビリティチームで社内向け勉強会や製品改善活動をしています。
業務形態は完全在宅勤務。
主なコミュニケーションは自社製品のグループウェアで、Web会議やチャットツールなどを併用して業務をしています。

できること、できないことがある

視覚障害によって、いくら工夫してもできないことがあります。
周りの人からは、それができるのかできないのかは分からないので、「○○なのでできません」と伝えることが大切だと思っています。
とはいえ、「こんなこともできないのか」と思われてしまうのではないかと心配になったり、自分でも「今まではできていたことなのにな」と思ってしまうことはいまだにあります。

できること
私は文字を大きくすれば見えるので、基本的に文字ベースの業務はできます。
社内SE業務ではマニュアルや資料を調査したり、実際に製品を使ったテストなどもしています。
アクセシビリティチームでは勉強会を企画して話す内容を決めたり、製品改善の立案から開発までもできています。

できないこと・つらいこと
通常業務でできないことを大まかに分類してみました。
これらはチームのメンバーにお願いしています。
・物理的な場所が制限されている業務
 セキュリティの観点などで事業所の特定エリアでしか許可されていない業務など
・スピード感を求められる業務
 文字の認識に時間がかかり、一度に見える情報量も少ないので
・様式を重視される文書などを扱うこと
 画像や文字のサイズ、色、幅などの判別が難しいので
・拡大機能を使うと全ての情報が表示できなくなるようなデータを使うこと
 スクロールが発生しているかどうかが見えないこともあります
 Excelで一つのセルに長文/複数行書かれているものもこれに当たります
・同じような文字列が並んでいるデータの処理
 ソフトウェアのログ調査など一つの行を辿るようなことが困難
 横に長いExcelなども苦手です

私のアクセシビリティ活動について

サイボウズへ入社当初からアクセシビリティに関する業務をしたいと希望していたのですが、当時は正式なアクセシビリティチームがなく、Webのアクセシビリティ対応のガイドラインである WCAG (Web Content Accessibility Guidelines) にも当時はロービジョン向けの項目が少なかったこともあり、細々と個人的に気付いた点を担当部署にフィードバックする程度にとどまっていました。
昨年、開発部門の方から、来年全盲の方が入社する予定なのでチームを立ち上げるという話を聞いて、やっと私にも出番が回ってきた!と意気込んでいるところです。

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