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君が輝くその日まで|第一話

第一話 三人が輝く場所

今日は快晴だった。
あつい、あつい。汗だくで移動教室をしていた。
「ねえねえ!ゆーうーなー!」
英華が抱き着いてきた。
「今日の放課後に、一緒に秘密基地に行かない?」
私はびっくりした顔のままぽかんとしていた。
「いいけど?」
「やったぁ!じゃあ、英知も誘わないとね!」
「う、うん…」
私は告白された日のことを思い出して、ぎくっとした。
「どうしたのー?顔真っ赤だよ?保健室行く?」
英華が心配そうに聞いてきた。
「大丈夫、昔のことを思い出しちゃっただけだから」
「そっか!」
キーンコーンカーンコーン…
ベルが学校中に響いた。
私がランドセルを背負って玄関に行くと、
英知と英華はすでに私のことを待っていた。
「おーい!優菜ー!」
英知が叫んだ。
私は恥ずかしながら、英知と英華のそばに行った。
「そんな大声出さないでよ…目立ちたくないの…」
つぶやいて、私が英知に言った。
「あ、ごめん」
やっちゃった、という顔をして英知が言った。
「じゃあ、行こっか!」
英華がニコニコしながら言った。
「うん!」英知と私は思いっきり走り出した。
はあはあしながら、私たちだけの秘密基地に到着した。
「ついたな!久しぶりに来たぜ…懐かしいな…」
息を切らしながら、英知が言った。
「そうだね…」
英華が少しびっくりしながら言った。
「あれ?」
私が気が付いたのは…小さな…家…?
指をさして、震えた。


「なんだあれ…俺たちが来てなくて、何も知らなかったせいでこんな家が…?」
英知と英華も震えていた。
「よし、こうなったらこの家の住人に会おう!」
英華が元気よく言った。
「そうするしかないよね!みんな…ってあれ!?」
英華が振り向いたとき、私たちは青菜に塩をかけられたかのようにショボーンとしていた。
「う…でも、やってみるのみ!…だよね!
私が英知を励ますように言った。
「うん、そうだな…!行ってみよう!」
英知がそういった後、少しちんもくが流れた。
「でも、ここに突っ立ってるわけにはいかない!頑張ろう二人とも!」
英華がそういったので、私たちは顔を見合わせてから
「うん!」
と元気よく答えた。
英知がおそるおそるチャイムを鳴らそうとする。
私たちの心は当然ドッキンドッキンと鳴っていた。
ピーンポーン♪
ついに、英知が鳴らした。
ギィ… 扉が開かれた。どんどん心臓の音が大きくなっていく。
出てきた人はなんと…
二年生の時に、晴美小学校に転校した長宮 連(ながみや れん)だった。
連はダルそうな顔をしながら出た。
だが、私たちを見た瞬間、顔色が変わった。
「あれ!?君たちって…」
「うん、私たち、若見小学校の同級生だった…よね…!」
英華がどんどんうれしい顔になっていく。
「久しぶり!!」
私たちはすごく久しぶりに会った同級生の連に思いっきり抱き着いた。
私たちは一分間抱き付き合っていた。
英華は泣いていた。
泣いたのは、すごく久しぶりだったからかな…私はそう思った。
英知も連に抱き着いていた。
連はきついといいそうな顔をしていた。
私は思わす、
「ぷっ!何その顔!ははっ!」
大声でそういうと、三人とも目をぱちぱちさせてこちらを見ていた。
でも、何分か後には、三人とも一緒に笑っていた。
「ーーーそういえば、なんで連は転校したの?」
私がそう聞いた瞬間、全員が水を打ったようにシーンとなった。
「えっと、それは…言えない…かな。ごめん」
連が少し小さい声を出した。
「そっか」
英華が無理やり笑いながらつぶやいた。
「でも、信用が増えたら…だけど、いえるかもしれねー…」
不安そうに連が言った。
「じゃあ、とりあえず、家に案内してくれよ」
英知が言うと、連がうなづいて家のドアを開けた。
私たちがちらっと家の中をのぞくと、連のお母さんがいた。
「若見小の前の友達が来たぞ」
連がおばさん(連のお母さん)に向かって言った。
「そう、いらっしゃい」
おばさん、というより若いからおねえさんが微笑んだ。
すごくきれいで、モテそうだった。
「いいなぁ…かわいくて」
はっ!思ったことが口から出てしまった…
「まあ、ありがとう!」
おねえさんがうれしい顔をして言った。
「そういえば、連。信用してもらうには何をすればいいの?」
急に空気が変わった。
悩ましいイメージの紫色に。
「うーん…」
そのあとにおねえさんが言った。
「信用って何の話?」ーーー

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