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圧倒される、ゲルハルト・リヒター展

東京国立近代美術館で2022年6月から開催が始まった<ゲルハルト・リヒター展>。

鑑賞の感想としては、「生誕90年、画業60年。待望の個展」という副題がそのままで、圧倒される感じの作品展。

時代ごとの作品を展示されいて、その時代時代で、独自の画法を確立させ、一種のフォーマット化で、次々を作品をつくっていく、そんなことを感じさせられました。

とくに印象深かったのが、次のもの。

  • アブストラクト・ペインティング

  • 写真⇔絵画

「アブストラクト・ペインティング」は、厚く塗られた油絵を、ヘラで削っていく、ゲルハルト・リヒターの代表的な画法。この画法の作品は、どれも大きく、削り取っていくのに、かなりのパワーが要したと思われ、そんなのが、作品の圧倒力として伝わってくる感じです。

「写真⇔絵画」は、写真をキャンバスに写して、それを絵として描いたり、その逆に、描いた絵を、写真として、しかも焦点をぼかして撮影したりなど、写実と抽象のあいだを、行き来している感じです。

上のヘッダーの画像は、ゲルハルト・リヒターの「ストリップ」という作品。たんなる線だと思っていたら、絵画をスキャンしたデジタル画像を、縦に細い色の帯ができるにまで等分し続け、最後に横に鏡面させたものとか。もとの絵画がなんだったのか、わからないぐらい、抽象画的な感じに変態化してしまい、いろいろと考えさせられます。

一度見ただけでは、消化不良が多いので、何度か見ていくといいかなぁと思います。