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カーボン・オフセットとは | 森を創る民のささやき

「森を創る民のささやき」ブログでの記事(2008年9月1日)とその追記記事です。

#59 カーボン・オフセットとは

創業して約1か月、
さまざまな業種のお客様にお会いさせていただきました。

感触としては、
「カーボン・オフセット」という単語は、
「新たな印刷?」「全く知らない」などの反応で、
まだまだ知れ渡っていないということを実感しました。
ある程度想定していましたが。

そこで、この「カーボン・オフセット」に関して、
何回かに分けて、わかりやすく説明したいと思います。

今回は、「カーボン・オフセットとは」です。

そもそも、カーボン・オフセットとはなんでしょうか。

ジャパン・カーボン・オフセットフォーラム(J-COF)では、
「市民、企業、NPO/NGO、自治体、政府等の社会の構成員が、自らの温室効果ガスの排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量等を購入すること又は他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動を実施すること等により、その排出量の全部又は一部を埋め合わせることをいいます。」
と書かれています。

これを、わかりやすく言えば。
私たちが経済活動を行う上で、CO2を排出せざるをえません。
(経済活動をやめるか、あるいはCO2のでない技術が確立すれば、両立も可能でしょうが。)
全体でのCO2量を増やさないために、
排出する分に相当量に対して、削減あるいは吸収活動を行うことが必要となります。
簡単に言うと、その行為が、カーボン・オフセットです。

厳密にいえば、
・どのくらいCO2を排出しているのかを把握
 ↓
・効率化等により、削減できることはないか対応
 ↓
・それでも排出してしまう量に対して、
 「削減あるいは吸収活動」を行ったものを充当
という流れになります。

これらの一連の流れが、「カーボン・オフセット」ということを指します。

ツバルの森のホームページにて
http://www.tuvalu-forest.jp/knowledge/offset.html
このことを、図等を入れて、解説していますので、
よろしければ、ご覧ください。

次回は、どのようにカーボン・オフセットを行うのか、
CO2排出量の「削減・吸収活動」についてご紹介します。

森を創る民のささやき September 1 2008

上の記事は、約10年前のもので、
当時、社会的にブームになりかけた「カーボン・オフセット」は、その後下火となり、尻切れトンボのようになってしまいました。

急速に終了してしまった要因としては、2008年後半に、サブプライム問題・リーマンショックが突如出現し、世界的に環境どころではなくなり、企業や社会の生き残りをかけた状況になってしまった。そして、日本では、3.11が2011年に起こり、環境以外の社会的課題について注目されるようになった。というようなことが背景にあったと思います。

「環境負荷ゼロ=いいね」「環境対応の義務化=環境税」というような価値観が社会的に醸成されないと、この動きは進みにくく、当時は、そのあたりが今一歩だったと感じています。

ここ最近、「2050年までにカーボン・ニュートラル実現」「炭素税」などの議論が出てきて、ふたたび「カーボン・オフセット」が注目されようとしている機運も感じられますが、果たしてどうなるでしょうか。

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2008年に設立したツバルの森時代のブログ「森を創る民のささやき」に、後日談を追加し再編集したマガジンです。この購読料の収益は、世の中の環…