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『ペイン潰し』が生む、新しいビジネス

SaaSに特化したベンチャーキャピタル・ALL STAR SAAS FUNDの前田ヒロさんがポッドキャスト『SaaS企業を一流の道へと導く3つの必須要素』で、

・独立前のVC時代は自分に専門性がなく、起業家へのサポートを十分にできていないのでは、というコンプレックスを持っていた
・VCになる前に自分で事業をやっていて、悩みの8割ぐらいは人に関するものだった

という理由から、ALL STAR SAAS FUNDでは

・BtoB SaaSというビジネスモデルに特化することで専門性を持った
・ファンドとして人を軸にした支援(人材の採用、育成、組織作り)にフォーカスした

と話していて、『前職時代に感じていたペインを潰す』思考法からALL STAR SAAS FUNDのコンセプトの一部が作られたのを知りました。

私も前職では、BtoB企業のWebマーケティング支援の事業部長をしていましたが、

・30名程度の部署でも、人のマネジメントに苦戦していた
・部署内に営業、デザイナー、コーダー、ディレクター、コンサルタントがいて、各領域のノウハウ蓄積のスピードが遅かった
・自社開発のツールを持っていたので、それを売らなければならず、提案の自由度が下がっていた
・自社開発のツールを持っていたので、3年、5年と続く案件が大半で、事業は安定する反面、人によっては新しい案件に触れる機会が減っていた
・マーケティング全体ではなく、Webマーケティングの支援だったため、毎回、顧客の課題とそれに対する提案が似通り、飽きるなと思っていた

などのペインを感じていました。そのため、自分で立ち上げた株式会社才流では

・人のマネジメントに苦戦しないために採用にこだわる
・コンサルタント職中心の組織体制で、ノウハウ蓄積を加速
・自社ではツールを持たず、ソリューションフリーで提案の自由度を確保
・3~10ヶ月間程度のPRJが多く、新規のお客様とのPRJを定期的にやれるように
・マーケティング戦略・施策の立案から入り、顧客の様々な課題に対して、様々な提案をできるように

と、自分が『前職時代に感じていたペインを潰す』ように事業を作り、いまは楽しく会社を経営できています。

また、最近読んだインタビュー記事で、業界では有名なWeb制作会社のLIGを創業し、いまはGIGを経営する岩上さんが、属人性を高めた結果、スケールの壁にぶつかった教訓からGIGの経営では仕組み化を意識していると語っていました。

当時はメディアが強いですよ、おもしろい人がいますよ、ということもけっこうやっていました。ですが、属人的になると限界が見えてしまいますし、デキる人が会社を辞めてしまうこともあるので、ある程度のところで伸びなくなります。これは、前の会社で学んだ教訓です。ですから、今の会社では世の中が見えるところだけじゃなくて、その後ろにある仕組みを何十倍も作りこんで、積み上げて行く方向を模索しようと思っています。(LIGからGIGへ。新会社で岩上貴洋が見据える「ギグ・エコノミー」とは?

これも『前職時代に感じていたペインを潰す』というペイン潰しの一例だなと。

ペイン潰しは完全に私の造語ですが、実際にサービスを提供する中で感じた事業面・組織面のペインを解消する形で新しいビジネスを発想する方法は汎用性高く使えるかもしれません。

ペイン潰しをする中で、自然と競合他社との差別化が生まれますし、ペインを潰せた点においては価値が高まるため、強いビジネスになる確率も高まるでしょう。

以上、新しいビジネスを考える上で、ペイン潰しが使えるかも、という話でした。

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