見出し画像

Canva×英語授業②~ジグソー法と組み合わせる~

教員免許を取得する過程で学んだジグソー法。
これまた、ずっとやりたいと思っていた手法である。
ということで、そのエッセンスを取り入れてみた。

ジグソー法とは…

ジグソー法はテーマや課題について、役割分担をして調べ学習を行い、自分が調べた内容を教え合います。自分の受け持ったパートを責任もって調べる、他のメンバーに説明することを通じて、学習効果を高められるばかりか、自主的に考える力や積極性、協調性も培われます。

「ジグソー法」のやり方って?具体的な手順と得られるメリット、探究への活用を解説

対象

これまた中3の女子クラス。長文授業で。物語文ということもあり、Canvaで遊べるかも?と思い立つ。

テーマ

『皆で全訳を作ろう』

授業の流れ

下準備として…
●8個の段落を32人で割り、1段落4人のグループを作る。これをエキスパート    
 活動とする。
●段落ごとに精読シートを作って配布。文法上のポイントや考える視点をヒ
  ントとして提示。(後のジグソー活動時にメンバーに共有する)

例えばこんな感じ。

①個人活動

精読シートの内容も踏まえて、まずは割り振られた段落の全訳を個人で考える

②エキスパート活動

同じ段落を担当した者同士で訳を洗練させていく。精読シートの答えも共有する。
※「ここどうしても分からん!」と困ったときには、”先生タイム”を使える。
※ただし2回まで。どの質問で先生を活用するかも含めて考える余地あり。

③訳の先生チェック

合格が出るまで何度も考えさせる。(ここの訳ちょっとぎこちなくない?とか修飾している先がおかしくない?等のフィードバック)

④完成した訳をCanvaのDocs to Decksへ

英文はあらかじめこちらで用意。訳を生徒に打ち込んでもらう。

⑤ジグソー活動

8人1組のグループで、自分が担当した段落を他のメンバーに解説。
英文⇒日本語訳⇒その訳を作る上で工夫した点、議論した箇所に言及
※上記を解説時のテンプレとしたが、「精読シートの内容に触れるように」という指示があいまいになってしまい、やっているグループとそうでないグループが出てしまったことが反省その1

※生徒が⑤に取り組んでいる間、Docs to Decksでスライドを完成させておく。一瞬でスライドが出来上がるの、ほんとにすごい。

⑥スライドを装飾

仕上げとして自分が担当した段落のスライド1枚1枚に、そのシーンを象徴する装飾を行うように指示。その際、CanvaのAI画像生成をおススメとして紹介(もちろん使わなくても良い)
使うのであれば、文字入力は「英語」しかダメという制限をつけた。

そうして出来上がったスライドがこちら。あるグループの作品を公開中。https://www.canva.com/design/DAF3Tnp5JDM/iUeumA6JcAqe1EpeLQ0H4g/view?utm_content=DAF3Tnp5JDM&utm_campaign=designshare&utm_medium=link&utm_source=editor

僕のお気に入り

最後にこれらのスライドをPDFにして生徒に共有した。

良かったこと

・すごくこだわったきれいな訳が出来あがったこと
問題集に載っていた模範訳よりも断然上手な訳が完成!!一場面ずつ、「あーでもない」「こーでもない」と言いながら言葉にこだわる姿は美しかった。僕が模範訳を元に授業をしていたのでは、決して出てこなった言葉たちである。彼女たちのポテンシャルが最大限に引き出された結果となった。

・寝る生徒が出ないこと
当たり前だが、この方式であれば寝ている暇は1秒たりともない。普段ウトウトしがちな生徒も声を出して、手を動かして、積極的に話し合いに参加する姿が印象的であった。

・Canvaの機能を活かせたこと
改めて、今回使った機能はDocs to Decksと画像生成。今、注目のアツい機能である。ここ!という場面で適切な使い方ができたと思う。特に画像生成機能を使う場面では、生徒も大はしゃぎ。
単純に面白いし、目新しがある。それだけで生徒の「やってみたい」を引き出すことに成功した。
また、1回の入力でお目当ての画像が出ない、ということが逆に「どんな英語なら出るか?」を考える動機になり、自然と様々な英語表現を使ってみよう、という環境ができあがった。

改善すべき点
・先ほど述べた①の反省について。
プレゼンの力量に差があることは事実。そこをカバーできるような説明の型をもう少し明確にすべきであった。

・自分が担当した段落とそうではない段落に対する理解の差が大きくできてしまったこと
ジグソー活動時には1グループ8人という大所帯になってしまったこともあり、皆に声が届いていない、という場面が見受けられた。
そこで「ごめん、声が聞こえへん!もっかい教えて!」と指摘できる子がいれば良いのだが、必ずしもそのように引っ張っていってくれる生徒がいるとは限らない。
「一応は説明した」(声を出した)で終わってしまっていて、全員が一様に理解できたか?と聞かれると不安が残るグループもあったように思う。
⇒でもそれって普段の教師が解説するパターンでも起きてしまうことでは?と思う自分もいる。(だからテスト前になると本気で全文理解しようと全訳を作る生徒が続出する)
1段落であっても、ものすごくこだわって考え抜く、という経験をした生徒はその後、他の段落に対しても、あるいはそれ以外の勉強に対しても同じような姿勢を持てるようになるかもしれない。と思うのは楽観的すぎるだろうか?

何はともあれ、まずは「やってみない」と反省事項も見えてこないわけで。
今回、チャレンジしてみた価値は十分にあったと言える。
何より、僕は最高に楽しかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?