ネタバレ考察『ラストマイル』最後のロッカー2.7m/s→0, 70kgは暗号？顧客中心主義の罠
あらすじネタバレ解説
↓ラストマイルのラスト結末まであらすじネタバレ・真犯人の解説はコチラ↓
脚本がすごいなと思った。
一幕は物流センターの爆弾探しのサスペンス
二幕は巨大企業が下請けの配送を虐げる構図を露呈。エレナ(満島ひかり)が犯人だとミスリードさせる
三幕・ラストは物流業界の問題点を浮き彫りにする社会派に
ディティールがこだわり抜かれていて登場人物が多いがそれぞれに解決感がある。
下請けドライバーの佐野亘(宇野祥平)がDAILY FASTに潰された家電メーカーに勤めていた設定がそのメーカーの堅牢な洗濯機で爆弾を防ぐ展開につながり“メイドインジャパンの美点”を示す形で、下請けコストカット反対のテーマに回収されるなど、巧妙かつ感動もある。
ラストマイルの意味
タイトルのラストマイルは物流業界のラストワンマイルからきており、顧客へ商品を届ける最後の区間を指す。佐野親子のような下請けドライバーがこのラストマイルを担当する。
なぜこれを映画のタイトルにしたのか？
DAILY FAST側だったセンター長のエレナが、ラストマイル側（ドライバー側）の目線や立場から考えるようになった点が大事で、タイトルにしたのだと思った。企業内部の人間が経営側を見るのではなく、下請けの労働力に目を向けることで業界の改善につながる。コンセプチュアルなタイトル。
ラスト考察：2.7m/s→0、70kg 山﨑の暗号？
まずロッカーの文字の前にDAILY FASTの理念＝Customaer Centric=顧客中心主義について。顧客中心主義はAmazonの理念でもある。
エレナが言っていたCustomaer Centricの本当の意味は何か？
回答は「1億総奴隷」だと考える。ここに山﨑が飛び降りた理由がある。
顧客中心は労働側のコストカットに繋がる
配送スタッフの軽視が起こる
競合企業つぶしと寡占(ライバル企業がいない状態)も発生
これらは多くの日本人がAmazonの顧客でありながら、下請け・派遣・影響を受ける職種に属し、搾取される側でもある二重構造を示す。
エレナの考えるCustomaer Centricは顧客をピン留めして選択肢を与えず、他の面では不利益をこうむっても“安いからここで買うしかない”構図なのだ。
次のページではロッカーの文字「2.7m/s→0、70kg」は暗号なのか？ 真犯人・筧まりかの動機を徹底考察していく↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？