苦難からの立ち直りを妨げる3つのP
今回は、トラウマや逆境に陥ったときに、そこから立ち直ることを妨げてしまう3つのPについてお話しいたします。
その前に、一番大事なことを一つ。
本当につらいことがあったのなら、それを一人で乗り越えようとしてはいけません。
周りに迷惑をかけてしまうなんて思う必要はありません。きっとあなただって、友人が困っていたら喜んで力を貸すことでしょう。
もし周りに力になりそうな人がいないのであれば、例えばカウンセリングや、医者、弁護士、逆境の種類にもよりますが、その道のプロの力を借りるのも手です。
特にカウンセリングは抵抗感が最初はあるかもしれませんが、いい人が見つかればきっとあなたの力になってくれるでしょう。
カウンセリングがどんなものなのか知りたい方は、こちらの本もおすすめです。
人生は20代で決まる――仕事・恋愛・将来設計(メグ・ジェイ)
そのうえで、より早く立ち直るために、以下にあげる苦難から立ち直ることを妨げてしまう3つのPに気をつけてみてください。
自責化(Personalization)
何か苦難に陥ると、その状況になってしまったことを自分のせいだと思い込んでしまうことがあります。
犯罪に巻き込まれてしまったのは、自分が無防備に治安の悪い地域を歩いたせいだ……なんてことはありません。
もし、あなたの今の問題を自分のせいだと思うのであれば、誰かが自分と同じ状況になったことを想像してみてください。想像しづらければ、具体的な人物を想像してみるといいでしょう。
その人にあなたはなんて言葉をかけてあげますか?
……そんなに厳しい言葉はでてこないのではないでしょうか。
その想像した言葉を、今度は自分にも投げかけてあげましょう。
それは慰めの言葉かもしれませんし、アドバイスかもしれませんが、他人だけでなく自分にも優しくしてあげることを忘れないでください。
普遍化(Pervasiveness)
一つの悪いことが起こると、それがすべてに影響してしまうかのような気分になってしまうことがあります。
しかし、実際にはその問題とその他のことは全くの無関係であることの方が多いでしょう。
例えば、つらいことだけを記憶して、そのことが頻繁に起こっているかのような錯覚を起こしてしまうことがあります。傘を忘れた日に限って雨が降るような気分になるのも、実際には錯覚にすぎません。
このような傾向は、ネガティブなときの方がもちろん高まります。失敗ばかり記憶してしまい、それをつなげて「私は何をやっても駄目だ」などという思考に陥ったりします。
だからといって、何もしなくなってしまうのは良くありません。
例えばプライベートで問題が起こった時こそ、仕事をしたりして、今ある問題以外のことにも目を向けられる環境を作ることが大切です。
もちろん、最初は休息も大事です。
しかし、最初に述べたように一人でずっといることはおすすめしません。
永続化(Permanence)
最後の一つですが、トラウマ的なことが起こると、おそらく誰もがこのように思うことでしょう。
この苦しみがずっと続くのではないか、と。
人は未来の自分の感情を想像するのが苦手です。どうしても今思っていることに引きずられてしまうのです。
ですので、悲しみがずっと続くのではと思ってしまいますが、実際にはそんなことはありません。
例えば、私は半年近く日記を書いていますが、そこにはその日の反省やつらかったことを毎日一つ書くようにしています。
まだたった半年の日記ですが、その半年前の悩みを見返してみると、今では「あんなことで悩んでいたのか」と感じるようなものも多々あります。
もちろん大きなトラウマであれば、もっと長く時間がかかることもあるでしょう。
しかし、その悲しみは永遠に続くものではありません。
「全ては主観性を失って、歴史的遠近法の彼方で古典になっていく」
ー米澤穂信『氷菓』
感情も次第に古び、自分の中での教訓や成長という意味で古典になっていきます。
ですので、どうかその苦難から早く立ち直れるように、以上の3つのPには気をつけてください。
参考文献:OPTION B逆境、レジリエンス、そして喜び(シェリル・サンドバーグ、アダム・グラント)
ps
今回の投稿のもとになっている参考文献にあげた本は、苦難に立ち向かおうとしている人の力になれるのではないかなと思います。
少なくともそれをもとにしている私の投稿よりは!
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