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【読書】がんと闘う NKT細胞標的治療

こんにちはYouthです。
今回紹介する本は、がんと闘う NKT細胞標的治療です。正直こんなに最適ながん治療法があるのかと驚きました。

がん三大療法の限界

がん三大治療とは、外科療法、放射線療法、化学療法のことです。多くの場合で、第一選択肢となるのが、外科療法です。がんを根こそぎ切除する手術は、完治させるうえで最も有効な方法です。しかし、肉眼の範囲なので、小さながん細胞を取り残したり、転移していたりする可能性もあるので再び増殖するリスクがあります。次に、放射線治療です。癌に直接放射線を照射し、がん細胞のDNAに作用することで、細胞分裂を阻止して増殖できなくします。しかし、転移や進行がんに対しては、限界があります。最後に、化学療法です。主に抗がん剤を指します。この治療法は、がん細胞のDNAに影響を与えて増殖を防ぐのが目的です。しかし、長く使用しているとがん細胞が、耐性を持つようになり、あまり効果が得られなくなります。また、正常な細胞にも影響を与えるため、様々な副作用を伴います。


NKT細胞とは

ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)
1986年に谷口克グループディレクター(理研統合生命医科学研究センター免疫制御戦略研究グループ)らによって発見されたT細胞の一種。ナチュラルキラー(NK)細胞受容体も同時に発現しているのでNKT細胞と呼ばれる。T細胞はタンパク質を抗原として認識するが、NKT細胞は糖脂質分子を抗原として認識する点で異なる異物に対しての免疫反応をすると考えられている。
理化学研究所

NKT細胞のがんに対する6つの働き

樹状細胞を成熟させる働き

樹状細胞は、枝分かれした突起を持った免疫細胞で、特殊部隊を構成するT細胞に、自身が食べて得た目印であるがん抗原を提示する役割をになっています。この抗原提示で、キラーT細胞を増やし、がんを攻撃します。

アシュバント作用

IFN-ɤ(インターフェロン・ガンマ)という物質を出し、さまざまな免疫細胞を次々に増殖させる働きをします。キラーT細胞、NK細胞、マクロファージを活性化し、それらを増殖させてがんに立ち向かうようになります。

がん細胞を直接攻撃する働き

NKT細胞には、がん細胞なら必ずもっている別の抗原を探しだすという特徴があります。抗原の有無にかかわらず攻撃します。なので、キラーT細胞やNK細胞が見逃したがん細胞も攻撃できます。

免疫抑制を解除する働き

私たちの体には、免疫が暴走して自己免疫疾患にならないように、ブレーキ役となる免疫を抑制する細胞が存在します。これを、悪用してがん細胞は、免疫が働かないようにします。しかし、NKT細胞には、がん細胞が作る免疫を抑制する物質をキャッチする受容体がないので、動きが封じられることは、ありません。そのうえ、がん細胞が免疫細胞の攻撃から自身を守るために細工した、免疫を抑制する細胞などを、殺傷する働きもしています。

血管新生を阻害する作用

がん細胞は、増殖するために、新生血管を作ります。そのために、VEGFというサイトカインを放出します。しかし、NKT細胞は、それを放出できないように邪魔します。結果として、酸素が行き届かなかったがん細胞は、餓死します。

長期の免疫記憶の作用

実際に、肺がんの治療の際、9か月以上も免疫記憶が持続していることがわかりました。


臨床実験では、余命8ヶ月と宣告された患者さんがNKT細胞標的治療で約3年間長く生きられたそうです。他にも、何件もの高い効果があるという事例があります。また、副作用もほとんどないため期待が高まっています。

本書は通信販売で購入できますので、ご興味のある方はこちらの記事下部にあるリンクからどうぞ。

皆さんも是非読んでみてください。








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