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向き合い、味わう。

金曜日、パソコンを閉じて本屋に向かい本を2冊、雑誌を1冊購入して家に向かう。

帰り道、某大学の新歓終わり?これから新歓?(新歓というものがわからない)の学生たちが渋谷の駅に流れる横をそそくさと追い抜く。
が、信号で止まり後ろから集団が押し寄せる。

人が多すぎて集団の最後尾にいる人は先頭の金髪の女の子の名前を知らないと思う。
サークルのすごさをまじまじと感じる。

いつから何年目って言わなくなるのかなと思いながら、四月に社会人四年目になった。早い。

社会人になり三年間平日も休日も永遠と頭の片隅にあったものがある。
それは、「もっと早く進みたい」という気持ち。
そして、同時に失ったものがある。

“じっくり時間をかけて味わい、向き合うこと”

これが一切できなくなってしまった自分に気づいたのは三年間を振り返ってた日のことだった。
映画も本も仕事の成果も、運動の成果も。
何もかも、最短で満足いく結果がほしかった。
そして、それが故にじっくり時間をかけて味わい、向き合うことができなくなった。

明日から実践できるビジネス本を読み漁り
切り抜き動画を視聴し、知った気になり
ショート動画で単発の快楽を求め
短期的な成果を求めて一日だけハードに運動することを繰り返した

SNSをみていると人々がじっくり向き合ってきた時間が削ぎ落とされ、あたかも最短で楽して到達したようにみえる。

映画に二時間向き合い色んなことを思い、自分の価値観に照らし合わせてああだこうだ考えるよりショート動画を思考停止でスライドしてるほうが楽だった。

本はいつの日か読まずに要約されてるYouTube動画をみるほうが効率が良いと思い頼るようになった。

成果の出てる人の小手先だけを真似して、試しては望んでる成果を手にできずに苦しくなった。

学生時代から落ちた体力が嫌で運動を始めるも想像以上にすぐには体力が戻らずに諦めた。

そんな繰り返しは振り返ると何にも自分の中に残らずに虚しさを覚えた。
とにかく最短距離で最高の思いを。
これが間違いだったと気づけただけでも十分すぎる収穫だ。

生活も仕事も、欲しい成果を明日無償で渡されたらどれだけ喜べるのだろうか。
ソファでゴロゴロしてるだけで全て望むものが手に入った時人は幸せになれるのだろうか。

目的地へ到達するために時間をかけて向き合い、ぶつかる色んな感情を味わい全て引っくるめて愛するべきなのだった。

生活、仕事、人間関係、健康、急ぐのをやめよう。
もちろん望むものはある。
最短でいきたい気持ちもある。
ただ、最短というものが幻想だということに気づこう。

身体に良いものを食べて、ちゃんと寝る。
目の前人とちゃんと向き合う。
目先の自分の利益ではなく、目の前の人の力になれるように向き合う。
人が話してる最中、一人で歩いてる時、一瞬の快楽を求めて携帯を開くのはやめよう。

目先の小さな数字ではなく、先々の大きな数字を生み出せるようにじっくりと仕事と向き合おう。
信頼に値する人間になれるように努めよう。

この人生でどこまでいけるか分からないけど、ちょっとやそっとじゃ崩れない基盤を築いて前に進もう。
楽しいときも、苦しい時も、嬉しいときも、悲しい時もしっかり向き合い、その過程を味わえる心の豊かさをもてたらきっと良い人生になる。

自分にしかできない経験と真正面から向き合うから人生は彩られる。
じっくりと。確実に一歩ずつ。

一週間お疲れ様でした。
新歓で先輩のペースに必死についていく一年生たちに幸あれ。

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