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Vol.21 妖怪ぬっぺふほふ

半年ぶりの更新になってしまいました。。
今回は珍しく、「私」自身が体験したお話です。

実家の階段に佇むぬっぺふほふ

少し前に体調を崩し、数年ぶりに熱が出た。
久しぶりの発熱で2日間ほど寝込み、その間に不思議な夢も見た。(そのことについてはまた別途記事にします。)

それ以来、少し奇妙な感覚を覚えたり不思議な体験をすることが増えた。

体調も回復し始めたころ、
実家の母(おばちん)から「階段のとこに何か気配を感じる気がする」といーこと私にLINEが来た。

おばちんは、肌色の人影が見えた気がしたので妹がお風呂上がりに服も着ないで2階に上がったのだと思ったらしい。(妹はそういうことをしないタイプ)

でも実際はその時、妹はまだお風呂に入っていた。

いーこによると「裸みたいな皮膚が垂れ下がった妖怪」みたいなものが見えたそうだ。

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それから少しして、私は実家に帰る機会があったものの、階段の妖怪の件はすっかり忘れていた。

実家は、リビング(ガラス扉)すぐ横に2階に上る階段がある。

その日はたまたま家族が留守にしていたため、
愛犬と愛猫とまったりした時間を過ごしていた。

その時から何となく階段のところに気配を感じていたものの、猫が出入りしてるのか何かだと思いあまり気にはしていなかった。


実家で夕食を済ませ、自分の家に帰ろうと準備していた時、2階に忘れ物をしたことに気が付いた。

めんどくさいなあと思いながら、階段を上りかけた時、私はぬっぺふほふと対面した。

実家の階段は、下から3分の2ほど行ったところで左にカーブしており、そこがちょっとした踊り場のようになっている。

ぬっぺふほふはちょうどその部分にいて、
身体半分だけを角から出し、私を見下ろしていた。

一瞬のことでびっくりしたものの、恐怖は全く感じなかった。
というか、ぬっぺふほふの容貌がなんともマヌケで、怖いというより急に現れてびっくりさせられたことにかなり腹が立った。笑

「何当たり前みたいに人の実家にいるんや😡‼︎という謎の怒りが勝ち、ついさっきまでぬっぺふほふがいた場所も気にせずズカズカと階段を上る。

上りきったところで振り返ると、先程と同じ場所にぬっぺふほふがおり私の方を見つめていた。
というかどれが目なのかよく分からなかったが、今度は私がぬっぺふほふを見下ろす構図になった。(ぬっぺふほふは視認するとすぐ見えなくなった。)

やっぱり恐怖は感じない。
何をするでもないけれども、人の家に無断で入ってきているぬっぺふほふにただただ腹が立った。

電車の時間が迫っていたので、駅まで送ってもらう車中でおばちんに先程の出来事を話した。

その時はまだ「ぬっぺふほふ」という名前が思い出せなかったが、おばちんとあーだこーだ話しているうち、頭に突然「ぬっぺぼう」という単語が浮かんだ。
それで検索をかけたところ「ぬっぺふほふ」がヒットした。

何よりも検索画面に表示されている「ぬっぺふほふ」の姿が、私が見たものと全く同じで「ほんとに妖怪っているんや」という妙な感動を覚えた。

そして、ぬっぺふほふについて調べるうち、
なぜ実家の階段に奴が現れたのかも何となく理解した。


実家の愛猫がしばらく前に顔にケガをし、傷口を縫う手術までしたものの、猫がその傷を掻いてしまい、またしても傷が開き、膿が止まらなくなった。
掻き防止の首巻きをはめるとかなり嫌がるので、相変わらず傷の治りが遅い。

そのため膿が点々と落ちていることがあり、
それがまた嫌な臭いを放っている。
拭いても拭いても膿を落とす猫。
猫は2階で妹と一緒に寝るため、特に階段から部屋にかけて膿が付着していることが多い。

おそらくぬっぺふほふはそれに引き寄せられて来たのではないかと思われる。

いーこに聞いたところ、階段を塩水で拭いて
上下に盛り塩をしておけばぬっぺふほふ対策になるとのことだったので、おばちんによって早速処置がなされた。
これできっとぬっぺふほふは実家から出て行ってくれるはず。頼むから早く出て行ってほしい。


それにしても、ぬっぺふほふと見間違えられた妹もなかなか気の毒だなと思う。


ゲゲゲの鬼太郎が何かで「ぬっぺふほふ」の姿は見たことがあり、その時は、変な見た目でしかも名前も変わった妖怪がいるんだな〜くらいにしか思っていなかった。
それをまさか実家で実際に見るとは思ってもみなかった。
また見たいかと言われれば、正直もう見たくはないが、ちょっとした有名人(?)に会ったような何とも貴重な経験をした出来事だった。


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