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【教訓】

昨日投稿したnote【大人たちからの教え】を読んだと、昼休憩の時相方から早速LINEが入っていた。

日本の組織の中で働く“サラリーマンの鏡″のような非常に真面目な性格である相方は、私と何もかも正反対である。彼のような人間が学校の教師だったり、公務員であれば不正など起きないであろうとつくづく思った事がある。 

が、一歩踏み外すと、今でも″社畜″に戻りかねない。彼は兵隊だ。

結婚前、相当な超絶ブラック飲食業で彼は10年間ほど統括やマネージャーという“名ばかり管理職″の任務をしていた。日々顧客対応や社員教育、膨大なクレーム処理案件をこなしていた。
このままにしておくと、いつか過労死する、会社にやられっぱなしになる!と危機感を覚えた私は、結婚してから転職するよう説得し、個人でも入れるユニオンに加入し、相方と共にブラック会社と闘って辞めた。今はやっとホワイトに限りなく近い会社で勤務している。

その元社畜さんからのひと言である。


相方の教訓

•謝って済む事なら、謝っておけば良い。

ただし、謝るという行為で1番大事なのは態度や文言では無くタイミング!


(結局追い込まれて、仕方無く謝るくらいの案件ならば、その時はすでに謝って済む問題で無く、収拾には時間と労力がかかり本人にとっても非常に辛い事になっている)

※よく芸能人や政治家、会社の社長などが記者会見で言い訳をしたり、人のせいにする事により、最終的に本人が追い込まれているケースを皆さんも多々見ているであろう。 

謝って済む段階は最初のみであり、引くに引けない状況になってからの謝罪は、誰の心にも響かない。墓穴を掘るだけである。


全部自分が悪くないのに、人に頭を下げるなんて…いう人もいる。

でも考えてみてほしい…相手が100%悪くないのに謝られて気分が悪くなる人なんているんだろうか?
むしろその状況で、私が悪いと素直に頭を下げる人は自分ならこの先も付き合いたいと思う。

初期に頭を下げるのは、低コスト+リターンしかない。
それをただプライドの為だけにしない人は馬鹿だと元社畜は教訓に今も人に頭を下げている…。




上記の事は相方が述べた事であるが、私も“組織″の中に居た頃は毎日バカみたいに人に頭を下げていた。
学校現場はいつも戦場だ。
普通の感覚を持つ生徒や保護者が大多数である中、二言目には『校長先生に言ってやる』『教育委員会に電話してやる!』と勝ち誇った顔で言ってくる者もいる。

私はいつも『お好きにどうぞ』と返していた。

別に悪いことなど何もしていない、文科省なりどこへなり電話してくれだ。あ、電話代がもったいないな、と生徒にはひと言付け加えた。結局、校長先生にも教育委員会にも電話する者は誰1人居なかった。



公務員バッシングは景気の悪い時ほど凄まじく、皆飽きるほど叩かれ慣れている。


理不尽な要求や文句をダラダラ電話してくる人間は、業務の妨げになるので、大抵職員室内の電話を“スピーカー″にし、大音量でその声の主の喋りが流れている。事と次第によっては録音する。
その“声“をBGMがわりに、皆黙ってテストの丸つけや翌日の授業の準備をする。私は、世の中にはこんな暇人がいるもんだと半分感心しながらも、可笑しくて仕方ない時は下を向いて1人で吹き出していた。

こういうタイプは大概“ひとり演説おじさん″が多い。中高年で頭が凝り固まり、世の中で誰も自分の意見を聞いてくれないので、クレームにかこつけて電話をしてくる。

大抵の場合、管理職である教頭が相手にするのだが、官公庁にかかってくるわけのわからない電話は、こちらから絶対に切ってはならないと教わった。決して反論してはならない、言いたいだけ言わせて、適当に相槌を打ち、気が済んだら相手に電話を先に切らせる、これが基本だ。よくあるお客さま電話相談と一緒だ。
その電話の声の主は、次は隣の中学、そのまた隣の中学…と電話帳を見ながら一日中電話をしているとも聞いた。
これの役所ver.も存在する。


または“先手必勝″の手も使った。
前年度に音楽科の教職員を徹底的に猛攻撃し、鬱病の病休に追い込んだという名物保護者がいた。いわゆるモンスターペアレントの代表格みたいな人だった。色々と“引き継ぎ″の内容を聞き、その病休代理で雇われた私は考えた。音楽科は私1人しかいない。自分も同じ事をされたらたまったもんじゃない。


新学期早々、“ご挨拶がわりに″『この度赴任して参りました橋本ですが、何卒よろしくお願いします』とバカ丁寧に頭を下げながら放課後の職員室から電話を入れた。その保護者は、突然の電話に何事かと面食らった様子であたふたしていた。
テニス部顧問の女性教諭が『キミ中々やるねぇ〜!どこでその話術、鍛えたの?』とgoodサインをしてくれた。
それから何かある度に、ご意見を伺いたくて…と意見を求め、生徒が部活をサボると心配で…と毎日のように学校から電話した。文句が出る前に、こちらから電話攻撃だ。
結果、その名物保護者は学校に対して何も言わなくなった。



アパレル業界に約2年居た頃には、当時の2ちゃんねるに根も葉もない罵詈雑言を書かれていたが、私は平気だった。
売上を上げて顧客に丁寧に対応し、満足して帰ってもらえればそれでいい。2ちゃんねるに書かれた罵詈雑言を見て、病んで辞める若い子も多かったが、学校現場で直接叩かれていた私からすると、ネットの掲示板なんて便所の落書きと同じだ。
水商売も然り。

何の仕事でもそうなのだが、

『わたくしの力不足により…申し訳ありませんでした。』このひと言で物事が円滑に進むのなら、土下座でも何でもする。
頭を下げるという行為は一円もコストがかからない、先に言えば言うほどメリットしかない。

昔ニートをしていた知人が『俺、人に頭下げたくないんだわ、人に使われるの頭にくる、だから社長になりたい』と言っていた。
社長は大きい椅子にドカン座って偉そうにしていればいいと思っていたのだろう、だが何かあれば全責任を負わねばならない、ちっぽけなプライドを武器に、毎日オンラインゲームで格闘していた。

まぁ、“ニートでも許される家庭環境″というだけでも充分恵まれているという事に、彼は気づかないまま現在もニートを続けている。だいたいニートできるという事自体、衣食住が保証されている、それだけでも感謝すべきだ。


私自身は大した人間でもなく、何の影響力も持たない“半分頭のイカれた中年メンヘラ″だとカテゴライズされるんだろう。

ただこれまで出会ってきた人の中で、この人はすごい、立派な人だな、と思った人にはある共通点があった。
誰もが知る大きな会社の社長さん、トップ営業マンから同僚、水商売のお姉さんからホストまで多岐にわたるが、『できるほど腰が低い』。あえて自分の身分を隠して接してくる人も多い、有名人というのは常に誰かに見られている。後で実はさっきの人…と聞いてなるほど!納得である。

ここで言う『腰が低い』と言うのは、誰にでもペコペコ頭を下げると言う意味ではない。不必要に偉ぶったり、俺はすごいんだぞ!とマウントをとらない。一度しか会わないであろう人間に対しても上から目線で話さない。
自分に余裕があるので他者に対して寛大なのだ。



一方、自分の周りにイエスマンしか置かない経営者や半径5メートル以内くらいの人間関係しか見えていない人というのは、一瞬で足元を掬われてしまう。


とある企業の最終面接で、会社の在り方に質疑してくる者や、一風変わった発言をする者をあえて採用する会社があった。優秀な学生の模範解答なんて腐るほど聞き飽きているので、あえてそうではない就活生を採用していた。ユニークな発想をする者が多く集まるその会社は、やがて世界的な大企業になった。



私自身が水商売をしていた時、その店のママから『自分が苦手と思う人ほど丁寧に接しなさい、嫌と思うと言動に出てしまい相手に伝わる、世の中好きな人ばかりではない、そんな時は誰よりも丁寧に接しなさい』と教わった。


これは本当にどんな職業においても役に立つ言葉だった。
苦手な人と関わらなくて済むにこしたことはない。ただ、同僚であったり客先であったり、避けて通れない間柄という関係性において、そのママが言っていた事を思い出しては行動するよう心がけるようにしている。


祖父も似たような事を話していたな…得意先で頭に来る事があっても決して顔や態度に出すな、そういう取引先にはお中元もお歳暮も1番先に持って行け!商売人の鉄則だ。


さてと、商売人の孫らしく、今日も仕事をしてこよう。顧客満足度が高ければ高いほど、半永久的に“ご指名″していただけるのだから。



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