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【医療AI⑩News】読唇術AI・医療AIの普及に黄色信号?などなど

ごきげんさまです。喜業家つぼです。

喜業家つぼのヘルスケアニュース何卒よろしくお願いします。

医療AIの普及に日本国内でちょっと遅れてしまいそうな心配になる流れが出てきたニュースがありますが、それは制度での話。技術の話としては、本当にいろいろなAIが出てきていますね。

読唇術AIは、聴覚障害の方々にもっともっと活用して頂きたいですし、補聴器と連動させていくとか、メガネと連動とかいろいろと拡張の可能性が出てきますよね

1)MICINがJ-Startup2021に選出

株式会社MICIN(マイシン、本社:東京都千代田区、代表取締役:原聖吾、以下MICIN)は、経済産業省が主導するスタートアップ支援プログラム「J-Startup」において、2021年度の「J-Startup企業」に選定されました。

2)仏陀AI

悩みをスマホ画面に打ち込むとブッダ(仏陀)が即座に答えてくれる──。そのような未来を夢見て、世界最古の仏教経典「スッタニパータ」をAI(人工知能)学習させ、様々な悩みに対し仏教的観点から回答する対話AI「ブッダボット」。その開発を進めているのが、京都大学こころの未来研究センター上廣倫理財団寄付研究部門長の熊谷誠慈准教授だ。一見おもちゃのように見えるアプリだが、熊谷さん率いる研究チームはこの「ブッダボット」の技術要素とテクノロジーを融合させ、ストレスフルな現代人の心を最良の状態に導くサイキ・ナビゲーション・システムの実現を目指している。

3)聴覚医療を変革するAI

AIが難聴を解決するまでにはまだ時間がかかるが、その過程には「聴覚医療を再構築する」機会がある。英ユニバーシティカレッジロンドンの神経工学者であるNicolas Lesica氏と、米カリフォルニア大学アーバイン校聴覚研究センターの耳鼻科医Fan-Gang Zeng氏は、Nature Machine Intelligence誌に寄せた論評の中で「AIと聴覚医療の未来」に言及している。
著者らは、人間の聴覚システムについて説明し、それを拡張するAIの可能性を示した後、AI開発者と聴覚専門家が協力して「真の人工聴覚システムを設計するためのステップ」を示している。特に、人工聴覚システムが考慮すべき、聴覚における3つの重要な側面に取り組むことが課題であるという。
1. 時間的処理:最近の研究によって、音を認識するための専用の神経回路が存在することが示唆されている。しかし、数ミリ秒単位の入力を処理するメカニズムは、異なる脳領域に分散したネットワークの複雑な相互作用に依存している可能性が高い。今後、自然な音理解と聴覚構築を実現するためには、このような研究をさらに進める必要があることを指摘する。
2. マルチモーダル処理:自然の聴覚システムを忠実に再現するためには、人工ニューラルネットワークは「最終的には、他の感覚運動モダリティを統合し、脳と同じようにさまざまなタスクを実行できる柔軟性を備えていなければならない」とする。マルチモーダルな特性を単独でモデル化しようとしても、現象をコンパクトに説明する以上の有用性は期待できないとした上で、適切な機能を持つネットワークを様々なタスクで訓練すれば、脳がそうであるように、マルチモーダルな柔軟性が現れるだろうと予測している。
3. 可塑性:近年の研究からは、人工内耳の効果は「その技術がどれだけ神経可塑性を実現できるか」にかかっているという仮説が立てられている。Zeng氏らは、人工内耳の性能が高ければ高いほど、「外耳道を通じて聴覚信号を受け取る新しい方法を脳が採用する」のを助ける点を指摘する。

4)心房細動聴講検出AI医療機器の治験開始

株式会社カルディオインテリジェンス(本社:東京都 港区、代表取締役:田村 雄一 以下当社)は、医療現場の解析技術にデジタルトランスフォーメーション(DX)をもたらすことを目指すヘルステックベンチャーです。この度、「発作性心房細動の兆候を検出する人工知能を搭載するソフトウェア医療機器」の治験を開始したことをお知らせします。

■株式会社カルディオインテリジェンスについて
当社は技術革新が起こりにくかった心電図をはじめとする医療検査の領域でディープラーニングを用いることで、飛躍的にAIによる解析サポート能力を高め、世界中の医療従事者に高度な解析技術をもたらすことを目指すヘルステックベンチャーです。社会にAIを用いた医療技術を普及させ、医療者の負担を減らすデジタルトランスフォーメーションを実現するため、医師・AIエンジニア・IoTスペシャリストなどの複合領域の専門家で構成されたプロフェッショナル集団です。
・会社名:株式会社カルディオインテリジェンス
・所在地:東京都港区東麻布1-29-15 東麻布296ビル 3階
・代表者:代表取締役CEO 田村 雄一
・設立:2019年10月
・資本金:9, 560万円
・HP:https://www.cardio-i.com/

5)左右の心不全を心電図から識別するAI

心臓が血液を送り出す機能が低下する「心不全」の診断は、心エコーなどの診断技術に大きく依存する。一方で、専門検査ゆえに人的・物的な制約が少なからずあった。人間の医師では検出が難しい「心電図上の微細な変化」をAIアルゴリズムで解析し、心不全をより簡便かつ迅速に診断しようとする試みが広がっている。
米マウントサイナイ医科大学のリリースでは、同大学の研究メンバーが学術誌 Journal of the American College of Cardiologyに発表した「深層学習アルゴリズムによって心電図から左右心室機能不全を識別する」研究成果を紹介している。心エコーレポートからデータを抽出する自然言語処理プログラムをまず構築し、各患者における心室機能不全を捉えた上で、心電図波形からこれを予測するニューラルネットワークをトレーニングした。その結果として、心電図から左心室駆出率50%以上で正常範囲の患者をAUC=0.94、駆出率40%未満の患者をAUC=0.87の精度で検出できた。また右心室における収縮・拡張の複合障害予測についてAUC=0.84を達成している。

6)医療AI普及にブレーキ!?

医療分野での人工知能(AI)を使ったソフトウエアの普及が規制によって阻まれている。X線や内視鏡の画像診断支援ソフトなどで、日本の承認件数は米国などに比べて大幅に少ない。政府の規制改革会議は25日、承認や審査の仕組みを改善し迅速に対応するよう厚生労働省に要求した。

7)読唇AI

唇の動きから音声を読み取る「読唇術(口話)」をAI技術によって実用化する動きが進んでいる。北アイルランドに拠点を置くLiopa社は「SRAVI(Speech Recognition Application for the Voice Impaired)」という読唇術アプリを開発している。
Liopaの18日付リリースでは、SRAVIが初めての商業契約を英Royal Preston Hospitalと結んだことを発表している。SRAVIは気管切開や咽喉手術後、脳卒中、麻痺、外傷といった様々な状態の患者を支援するために開発された。患者がスマートフォンのカメラに向かって唇を動かすと、SRAVIアプリは唇の動きをAI技術で認識し、音声として読み上げる。同社によると「登録したフレーズリストからの認識精度は90%以上」を謳っている。導入病院ではICUなどで入院患者向けに使用が許可され、患者・家族・医療スタッフ間でのコミュニケーション改善が期待される。

8)小児遺伝性疾患診断支援AI

世界では毎年約700万人の新生児が深刻な遺伝性疾患を抱えて生まれてくる。基本的な遺伝子配列の解析に数時間、そこから特定の疾患診断のための手動分析に数日から数週間かかるケースもある。生後24-48時間以内の診断が転帰改善に重要な役割を果たすとの報告もあり、新生児特定集中治療室(NICU)に収容される子どもの一部にとっては、従来の「診断までのタイムラグ」さえも惜しまれる。
米ユタ大学病院からのリリースでは、AI活用の技術で小児遺伝性疾患を迅速に特定する研究成果が紹介されている。Genomic Medicine誌に報告された本研究では、米Fabric Genomics社のAIアルゴリズムを検証し、疾患の原因となる遺伝子エラーの上位2種類のいずれかを92%の精度で特定できるという結果を得た。この成果は、同タスクを60%以下の精度で行っていた既存ツールに対する優位性を示している。

9)COVID19広がり予測AI

COVID-19はほとんどのインフルエンザよりも感染力が強く、致死率も高い一方、COVID-19とインフルエンザはいくつかの共通する特徴を持つ。つまり、いずれの疾患も主に上気道に感染し、飛沫や付着物、接触によって伝播する。米シカゴ大学の研究チームは、インフルエンザとの類似性を利用し、COVID-19がどのように感染拡大するかをより正確に予測する新たなモデルを提唱している。
PLoS Computational Biologyからこのほど公開されたチームの研究論文によると、新しいリスク測定法である「Universal Influenza-like Transmission(UnIT)スコア」は、既存のモデルと比較して、毎週の患者数をより正確に予測できるとしている。10年分に及ぶ米全土のインフルエンザ入院データを用い、インフルエンザ患者における週ごとの動向を調査した。例年、どこで感染クラスターが発生し、どのように全国に広がっていったかを明らかにするこのデータをもとに、チームはUnITスコアを作成した。さらに、社会的決定要因など、COVID-19の流行に影響を与える他の変数を組み合わせることで、CDCのモデリングハブに掲載されている他のモデルよりも高精度な予測結果を得た。

10)遺伝子カウンセリングAIチャットボット

ノルウェー・ハウケラン大学病院の研究チームは、「遺伝性乳がんおよび卵巣がんに関する遺伝カウンセリング」のためのAIチャットボットを構築し、検証している。遺伝カウンセラーや臨床遺伝学者、エンジニア、患者、などの多様なメンバーで構成される学際的研究チームが提唱する「遺伝カウンセリングの新しい形」に大きな注目が集まっている。
Patient Education and Counseling誌から公開されているチームの研究論文によると、Rosaと呼ばれるこのAIチャットボットは、商用のAIチャットボットプラットフォームをカスタマイズすることで2年間をかけて構築したという。遺伝カウンセリングの専門家、当事者ら計58名で意見を出し合い、2,257に及ぶ質問項目とその回答を設定した。患者向けの反復アプローチにより、開発プロセスにおける広範なユーザテストとユーザビリティテストを実施し、結果的には実証試験においても「チャットボットへの肯定的な態度」を有意に得られる信頼性の高いものとなった。

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