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【PPT無料配布】上場企業主催ビジコンで優勝に至った資料とプレゼンのポイントをまとめました

新規事業コンテストで優勝した際の資料やプレゼンのポイントを社内に展開したところ、好評でしたのでnoteにまとめてみました。あくまで私の主観の為、参考程度でお願いします。パワポファイルも無料で付けておきますのでご自由にダウンロードください。

《資料編》

今回は資料編です。資料編が好評であればプレゼン編もアップいたします。

新規事業提案の資料に取り入れるべき要素は正直固定化できます。故に、ベースのページネーションは以下の要素を含めるようにすれば非常に作りやすいです。

✔解決したい課題(誰がどんな課題に直面しているのかなるべく定量で)

✔課題解決アプローチの仮説

✔ビジネスモデル図(プレイヤー種別、バリューとお金の流れを明確に)

✔逆風を乗り越える為の工夫

✔マーケットサイズの現状と伸び(1stターゲットを絞り明確に)

✔競合比較/優位性

✔ゴール設定と撤退ポイント

以上です。順に説明していきます。

■解決したい課題

まず、解決したい課題の部分は、ある意味冒頭に近い要素ですので、続きを聞いてみたい/読んでみたいと思わせなければいけません。そのために意識すべきポイントは、以下の通りです。

・「へぇ〜、知らなかった」と興味を惹かれる

・定量で共感や不安感を募ることができる

・自身が結構本気で解決したいと思えている

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解説しやすい様にお伝えしておくと、私が優勝したアイデアはバイトテロのような『SNSによって起きる炎上を法人のブランドや株価にマイナス影響が出る前に防ごう』というソリューションです。

このソリューションの価値(投資して作った方がビジネスとして儲かるじゃん!)を示す為にも課題の伝達は必要です。上記2スライドは抜粋ですが、ここでは毎日2〜3件もの企業関連の炎上がSNS上では起きているということと、約40%の社員がSNS上で不満を漏らそうとしている(ネガティブ投稿→炎上ルートの懸念がある)ということを示しています。

人は、想像範疇内の課題を定量データで出されたとしても心が動く程の真新しさはありませんが、知らないデータを出されるとぐぐっと興味が湧きます。

■課題解決アプローチの仮説

次に、課題解決へのアプローチです。

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私の場合は上記スライドのように、ネットモラル(リテラシー)+SNS利用実態とモチベーション+業績は相関関係があるのでは?という仮説を出しています。弊社はモチベーションや組織改善等の組織コンサルティング事業を主としていますので、自社の強みや既存リソースを使った発展も出来るのでは?という匂わせをここでは意識しています。

要するに、リストアップし整理した課題をどういう仮説の元解決していくか、もしくは解決する先には既存事業とのどんなシナジーが見込めるのかという事を整理すると良いです。(前後スライドの関係性やストーリーは末尾のPPT資料をDLしてみてください)

■ビジネスモデル図

これはnoteユーザーであればお馴染みかもしれませんが、チャーリーさんのビジネスモデルピクト図のようなイメージです。関わるプレイヤーに対して価値提供とお金の流れがマッピングされていれば完成です。

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※事業アイデアのSaaSが『Mother Board』という名称だった為、アプリの価値提供矢印が『オカン』が設置されています。。

上記には敢えてお金の流れを一旦書かずに整理しているのですが後述します。

ピクト図の作成には先程も記載の通り以下の記事等をバリバリ参考にしました。

■逆風を乗り越えるための工夫

ここまで来ると、資料を見たりプレゼンを聞いたりしている側も大方の整理が出来てきて、大抵こういった新規事業を審査/査定するような方々はクリティカルな質問をしがちです。そこで、事前にしっかりと考えて一見事業の穴に見えそうな所を補強する材料も資料化しておきましょう。

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私のアイデアの場合は社員のSNS炎上防止なので、特定のアプリを社員のスマホにインストールする、という前提条件がありました。やはりそこは審査員の方々も引っかかる課題ポイントだろうなと思ってましたので、共感を煽るスライドを入れつつ、何故このアプリを社員の方々が入れてくれるのか?という整理をしています。(実際にはここもう少しスライド多いので、ダウンロードしてもらえると良いです)

箇条書きの最後の社員からのフォロー時アラートは、サブアカや裏アカなども対象にした場合に偶然他の社員にフォローされた、なんて事があると負の感情を持つ方が増加してきているのでこういう機能があるとバイトさん達もメリットがあるかもと思い記載してますが、この辺りも審査員の方々からすると文化の違いがありすぎるポイントなので、なる程なとメモを取っている方もいました。文化のギャップで攻めるのはアリかもしれません。

その上でこの辺りも反映したビジネスモデル図を再度整理しています。ここにはちゃんとお金の流れを記載しています。

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上記のモデル図の中で提携企業などと掲載している所は、既にこの事業をやるとしたら話が付いている企業がいます!と具体的にネームアップ出来ると尚良いです。

マーケットサイズの現状と伸び(1stターゲットを絞る)

マーケットサイズ(市場規模)を記載している方はよく見ますが、大きければ良いかというとそうでもありません。余程の大資本を投下できる環境なら別ですが、そうでなければ大きな市場の中でもまずは攻めやすい優先ターゲットはどこなのか?を明確にしなければ実現可能性が高く伝わりません。

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ここも定量で記載することを忘れずに。

競合比較/優位性

さて、終盤です。新規ビジネスを立ち上げる上で大切なのは競合比較です。競合が全くいません、というのは余程で無い限りありません。さらに投資してやるからには優位性を自信を持って記載出来ないとダメです。

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私の今回のモデルの場合は弊社と同じくマザーズ市場企業のエルテスさんのソリューションでした。(読み手の中にエルテスさんいらっしゃって、間違っていたらすみません。。基本的に参考にしたのはIR資料各種です)

エルテスさんのソリューション自体も凄まじい継続率なので、かなりの競合ですが、エルテスさんだけでは刈り取れない低価格市場へのローンチと割り切る事で差別化を図っています。そして低価格で提供する為には当然人の手をそんなに割く事は出来ないので社員スマホにアプリインストール→監視というデジタル式の監視プログラムで差異をもたせてみました。

伸び盛りの競合企業が存在する事は前向きに捉えられる事の方が多いです。その上で何が差別化ポイントなのか?を出来れば自社の強みも活かしつつ表記しましょう。

ゴール設定と撤退ポイント

最後に重要なのが、ゴール設定と撤退ラインです。意外と記載されない事が多いポイントですが、これがあるとグッと資料が締まります。

ゴール設定で意識すべきは、まず1stゴールをどこと置くかです。そしてそれに時限を付けて、達成できない時は事業の伸長性もしくは経営者の手腕が足りなかったと仮定して撤退します。という判断も記載できると良いです。これこそが『本当にこの事業をやりたいのか?』という自問自答にもなり覚悟も決まります。その覚悟こそが審査観点でもプラスにはたらきます。

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撤退した際には、一体いくらの費用が出ていく事になるのかを明記することも投資側からすると、最悪のケースもイメージが出来て良いです。

他にも、1stゴールだけでなく2ndゴールやその先などの展望なども最後には描けると良いと思います。

かなり長文になってしまいましたが、このようなポイントを気をつけて資料の作成をすると整理された事業モデル資料が出来上がります。そのほかにも多数ページが格納されていますので是非資料は以下からDLして自由に活用ください。

今回は以上です。長文失礼しました。

今後も新規事業立ち上げ系のノウハウやお話を少しでもリリースしていければと思いますので、是非Twitter等フォローいただけますと有り難いです。


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