自粛明け、山について思うこと

6月19日に県外移動が許されるようになり、ちょっとした遠出ができるようになった。移動自粛解除の根拠はさておき、このタイミングを見計っていた人は多いと思う。撮影や取材の仕事をしているまわりの仲間も、6月末以降に日程を設定して動いている様子がSNSのタイムラインにも流れてきたので、なんとなく「戻ってきた」という感じはあった。

かくいう自分も、その翌週に山梨で仕事があったので一日早く入って八ヶ岳を歩いてきた。まともに山登りに出かけるのはいつぶりだろうか。最後のロケは3月のカナダだったのだが、自然であっても山登りではなかったので、ひょっとしたら半年以上ぶりだったかもしれない。

八ヶ岳へ

自粛解除後にふとした機会もあり、八ヶ岳に行くことになった。

行き慣れた行者小屋と赤岳鉱泉はまだ休業中。6月頭からオーレン小屋が営業していたので桜平は車が停められそうだと、少し余裕を持って土曜日の夜に到着。4kmほど下の駐車場にも一部車が停まっていて、路肩にも数台あったので土曜日はかなり混雑したようだった(たしか土曜日は好天、日曜は少しガス予報)。

「やっぱりみんな来たかったんだね」と話しつつ、一番上に停めることができ数時間仮眠。針葉樹の森の香り、窓から見える満天の星空はお久しぶりなのであった。

ルートは桜平からオーレン小屋を経由して硫黄岳、そして横岳〜赤岳のピストン。天気や体調を見ていいところで折り返す予定だった。ちなみに昨年はオーレンから硫黄岳に行く前に根石岳まで足を伸ばし、赤岳を踏んでから阿弥陀岳まで行って、しかも行者小屋と鉱泉を経てオーレンまで戻るコース(日帰り)だったので、だいぶ余裕を持って歩くことができた。

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相変わらず硫黄岳は風が強い。その分ガスがかかっても抜けてくれるので飽きなくていい。ここのケルンは立派。冬にはいい目印になる。

山はガス多めだったものの、そこかしこに初夏の高山植物がお花畑をつくっていて目を楽しませてくれた。そういえばこの時期に八ヶ岳に登るのははじめてだったかもしれない。

アクセスがいいこともあってよく来るのは冬。あとは夏山どまんなかのシーズンだ。だから写真を振り返ると厳冬期かコマクサと青空の写真が多い。

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硫黄のピークを踏んで小屋までのくだりの途中。しっかり横岳〜赤岳方面も見え、まさに夏山の雰囲気。前シーズンぶりの感覚で、控えめに言っても「最高」。自分にとって自由なはずの山が不自由だったこともあり意識的に遠ざかっていたけれど、こうしてその場に立ってみるとやはり自然は変わらずいい、ということを再認識させられる。

小屋のひとたちはパーテーションをつくったり、ベンチを改造したりと慌ただしかったが、人が戻ってきたことは嬉しそうだった。登山者たちも一様に楽しそうだったのは印象的。そんな当然のことが感慨深い。

少し多めに写真を貼っておくので、山の雰囲気を味わっていただければ。

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あと、八ヶ岳を選んだ理由は「ツクモグサ」を見たかったからというのもある。ツクモグサはキンポウゲ科の高山植物で北海道と本州は白馬と八ヶ岳に分布する。6月初旬あたりに開花するので、高山植物としてはちょっと早め。今年は入山者も少なく(入山しても発信する人も少なかった)こともあり、開花状況はわからず。毎年タイミングを逃していたので見れたらいいなと思っていた。

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ガスっていたので花弁は開いていなかったものの、たくさん見ることができ大満足。ふわふわで、まさに可憐という言葉がぴったり。人の目につかなそうな崖に群落している

夕方前には下山し、移動。リハビリにはちょうどいい山行だった。そういえばもう一ヶ月近く経つのだなと気づいた。あれから入梅してしまい、行く機会もない。そろそろ梅雨明けだけれど、人が多くなると行きたくなくなるのでどうだろうか(笑)






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