暗黙知と形式知を循環させる重要性

お疲れ様です!


本日は、「暗黙知と形式知を循環させる重要性」について、考察していきたいと思います。

まず、暗黙知とは個人の思考の中に内在する知識のことであり、表出化していないため相手に伝えるための伝達する作業が必要になります。形式知とは、自分以外の他人が理解するために形式化された知識のことであり、論文や本などは形式化された知識です。


日本の職人の世界では、みて盗めと古くから言われてきたそうですが、これは先輩の暗黙知を自分の中で表出化し暗黙知としてさらに蓄えろということになります。実はこれは職人の世界だけの話ではなく、現代ビジネスのレガシーシステムのブラックボックス化の根本的な原因も暗黙知を形式知に直さなかったことがあり、日本人にとっては重要な問題となっています。おそらく、日本人は生活の中で「空気で察すること」が刷り込まれており、相手が何をしたいのか、何を言いたいのかを自分で察することを日常的に行っているのではないかと思います。しかしながら、暗黙知は必ず必要な思考様式であって、ただマニュアル化された形式知を考えずに実行するだけでは新たな知識の蓄積はなくなってしまいます。

そのため、形式知と暗黙知を循環させるシステムを組織の中で醸成することができると、組織内でイノベーションが起きる可能性が高まります。

その循環システムを研究しているのか野中郁次郎先生であり、提唱している理論が「SECIモデル」と言います。SECIモデルとは、社員が個人的に保有している知識を組織全体で活用することで、知識を循環させることも目的に作成されました。知識を循環させるには4つの段階が必要であるとされており、「共同化」、「表出化」、「連結化」、「内面化」のプロセスがあります。

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「共同化」は上記の職人の例のように暗黙知から暗黙知へと移り変わることで、新しい暗黙知が生成される過程のことです。また、「表出化」によって新しく生まれた暗黙知を形式知に落とします。次にさまざまな側面で生まれた形式知を連結させて新たな形式知を作り出します。その後、形式知を実行している上で個人が新たに考え出し、暗黙知を蓄える段階を「内面化」と呼びます。


私は日本人が創造的なイノベーションが起こりづらいとされている原因の一つは、この知識の循環サイクルができていないことがあるのではないかと考えています。暗黙知を口頭で部下に伝え続けることで一定の知識は伝わり続けますが、形式化されることはないので、知識の蓄積や他部署との知識交換が起こりづらい関係にあると考察します。部外者の視点が入らずに専門性だけを高めると創造的なアイデアが生まれる機会が減少し、結果としてイノベーションが起こりづらい体質になってしまうのではないかと予測しています。

そのため、「暗黙知と形式知を循環させる重要性」があると考え、今回は記事を書きました。


私自身も継続的に知識を循環させる仕組みを早い段階で作って、システムとして機能させていきたいと考えています。

ご覧いただきまして、ありがとうございました!















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